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冬の食中毒の主役は「ノロウィルス」!

2017年 12月15日 11:41

食中毒と言えば、気温が高い夏の時期というイメージがありますが、気温が低い冬でも食中毒になります。夏の食中毒の原因はサルモネラ、ブドウ球菌、ボツリヌスなどの細菌によるものですが、
冬の食中毒はウィルス、特にノロウィルスがあげられます。
ノロウィルスは毎年11月頃から流行しはじめます。ノロウィルスの特徴をよく理解し、適切な予防策・対応策をとることが必要です。

症状

ノロウィルスは感染力が非常に強いのが特徴です。そのため、少量のウィルスが食品についているだけで、食中毒を引き起こします。ノロウィルスに感染すると、12~72時間で突然、嘔吐と下痢、腹痛、発熱が現れます。
健康な人では重症化したり長引くことはまれですので、スポーツドリンクなどで水分補給しつつ、安静に努めましょう。ただし、抵抗力の低い乳幼児や高齢者は脱水症を起しやすいので、症状が強い場合は病院を受診しましょう。

感染経路

①経口感染
ノロウィルスで汚染された食品や水を摂取することで感染します。

②接触感染
ノロウィルスで汚染された環境、衣服、物品を触り、汚染された手指を口に入れたり舐めることにより、口の中に入り感染します。

③飛沫感染
患者さんの嘔吐物や下痢便が床などに飛び散り、その飛沫を吸い込むことで感染します。

④空気感染
ウィルスを含んだ嘔吐物や下痢便が乾燥すると、ノロウィルスは風に乗って舞い上がります。
それを吸い込んだり飲み込んだりすることで感染します。

予防策

・食品の加熱 
85℃以上で1分以上加熱します。
・手指衛生 
石けんと流水による手洗いをし、その後アルコール手指消毒剤で消毒します。
・便や吐物の処理方法
窓や扉を開け、できるだけ室内の換気を良くします。
手袋・エプロン・マスクを着用し、便や吐物を処理します。
・感染源や環境の消毒
ハイターを50倍に薄めて、拭き掃除します。

予防を徹底して、食中毒を起こさないように、また感染を拡げないことにも気をつけましょう。

(製鉄記念八幡病院 川原しのぶ感染管理認定看護師に聞きました)

 

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