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たんなる「ものわすれ」?それとも「認知症」?

2018年 1月15日 09:00

厚生労働省の推計によると、2025年には全国で認知症高齢者が約700万人になると見込まれています。症状が軽いうちに、適切な治療を受けることで、認知症の進行を遅らせることができます。
加齢にともなう記憶力の低下と認知症の違いについて、荒川修治医師(脳卒中・神経センター長、脳血管・神経内科部長)に聞きました。

 
社会医療法人製鉄記念八幡病院 荒川修治(脳卒中・神経センター長、脳血管・神経内科部長)

Q1.「ものわすれ」と「認知症」の違いについて教えてください。
加齢にともなう記憶力の低下は、だれにでも起こります。老化によるものわすれは、「人の名前が出てこない・モノをどこに置いたか忘れる・その部屋に何をしに来たか忘れる」などが特徴です。多くの場合、何かのきっかけや時間の経過で思い出すことができます。

一方、認知症は「食べたこと自体を忘れる・買い物に行ったこと自体を忘れる・日付や曜日、場所などがわからなくなる、捜し物は誰かに盗られたと思う」などが主な症状です。

Q2. 「ものわすれ」が進むと、認知症になるのですか。
健常者と認知症の中間にあたる、「軽度認知障害(MCI)」というものがあります。このMCIの状態を放置すると、認知症に進展する人の割合が、年平均で10%に及ぶというデータもあります。MCIの段階で、定期的な運動や食事などの生活習慣を見直すことで、症状が改善したり、認知症の発症を遅らせる場合があります。
早期にMCIに気づき、対策を行う事が重要です。

Q3. どんなときに受診すればよいのでしょうか。
認知症には、脳の神経細胞が変性して徐々に進行していくアルツハイマー型認知症などの認知症と、正常圧水頭症、硬膜下血腫など脳の急性の病気が原因で、一時的に認知症になり、手術などの治療により改善する認知症タイプがあります。
ご本人やご家族が「認知症かな?」などと異常を疑った時には、早期に医療機関に相談してください。