消化器内科

特色

食道から直腸までの「消化管」の病気に対して緻密な形態診断学に基づき、最新の医療を提供します。受診の際は、かかりつけ医の紹介状をご持参ください。
当院は日本消化器病学会認定施設、日本消化器内視鏡学会専門医制度指導施設、日本消化管学会胃腸科指導施設に認定されています。

診療担当表

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検査項目表
 
検査 消化管造影 午前    
上部内視鏡
大腸内視鏡 午後

◯検査可 △件数制限あり

扱う疾患

食道疾患
逆流性食道炎、食道アカラジア、食道がんなど
胃・十二指腸疾患
消化性潰瘍、胃炎、胃・十二指腸ポリープ、胃がんなど
小腸疾患
小腸ポリープ、小腸がん、慢性炎症性腸疾患(クローン病・腸管ベーチェット病・腸結核)、腸閉塞など
大腸疾患
大腸ポリープ、大腸がん、感染性腸炎、慢性炎症性腸疾患(クローン病・潰瘍性大腸炎・腸管ベーチェット病・腸結核)、腸閉塞など

*消化管がんに対する化学療法は腫瘍内科で、膵腫瘍や胆嚢疾患の評価・治療は消化器外科で行っています。

検査

上部消化管内視鏡検査

経口内視鏡にて検査します。
朝食を摂らずにご来院いただければ、受診当日でも検査できることがあります。ご希望があれば検査時に鎮静剤を投与します(投与後は終日、車の運転や火・刃物の取り扱いができません)。なお、抗血栓剤は中止せずにご紹介ください。

大腸内視鏡検査

患者さんはインフォームド・コンセントのために事前に外来を受診していただく必要があり、検査は後日、日帰り(必要に応じて一泊入院可)で行います。ご希望があれば検査時に鎮静剤を投与します。

消化管造影検査

患者さんは事前の外来受診が必要です。従来の胃透視、経口小腸造影、注腸X線造影に加え、経鼻チューブを用いた上部消化管精密検査、低緊張性十二指腸造影、小腸二重造影などを行います。

治療

良悪性腫瘍の内視鏡治療

内視鏡・消化管造影等で病変を評価し、適応病変には積極的に内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)を行います。また、 進行癌による消化管狭窄に対しステント留置を行います。

炎症性腸疾患の治療

常時150例以上の炎症性腸疾患の治療にあたっています。
クローン病には生物学的製剤の投与を積極的に行っており、従来の栄養療法・薬物療法と組み合わせて粘膜治癒をめざします。
潰瘍性大腸炎には、経口・局所の薬物療法を中心に、重症度によっては血球除去療法(CAP)・生物学的製剤・免疫調整剤を併用しており、高い治療成績を得ています。
その他、腸管ベーチェット病や腸結核などの経験も豊富で、個々の患者さんに最適な治療を提供する「オーダーメイド治療」を心がけています。

内視鏡的止血術・異物除去

緊急内視鏡検査・治療に対応しています。内視鏡を使った消化管止血や、異物除去に取り組みます。

その他

消化管良性狭窄に対する内視鏡的拡張術や、胃ろうの造設・交換を行っています。詳しくは担当医にご相談ください。

実績

  2021 2022 2023
検査 消化管内視鏡検査 上部 2,201 1,978 1,850
大腸 1,528 1,334 1,476
シングルバルーン小腸 4 3 9
カプセル小腸 ※ 7 9 10
超音波内視鏡 108 79 87
消化管造影検査 146 182 233
治療 治療
内視鏡
(1)EMR・ESD
()内ESD
食道 6 ( 6) 4 ( 4) 5 ( 5)
35(31) 32(31) 27(25)
十二指腸 0 1 (0) 0
大腸 601(29) 537(39) 629(50)
(2)内視鏡的止血術(静脈瘤除く) 157 108 66
(3)ステント挿入術 13 4 4
(4)胃ろう 造設 6 7 5
CAP療法 2 6 6
生物学的製剤 45 52 58

※入院患者のみ。機材準備・読影は遠賀中間医師会おんが病院へ委託

こんな症状ありませんか?

腹痛
痛みの場所(みぞおち・おへその周り・横腹・下腹など)や種類(急に痛くなった・徐々に痛くなってきた・ときどき痛む・周期的に痛むなど)、痛みの激しさなどによって考えられる病気はさまざまです。お腹の中にある内臓が原因であることが多いですが、婦人科・皮膚科・泌尿器科・心臓の病気でも腹痛がみられることがあります。治療もお薬だけで治るものから、入院や手術を必要とするものまで幅広いため、正確な診断と適切な治療が求められます。
血便が出る
消化管(食道・胃・十二指腸・小腸・大腸)や口の中、肛門から出血が起こると、血を吐いたり(吐血)、真っ黒な便や血の混ざった便(血便)が出ます。また、たんに血が混じったり、咳とともに出血するのが「喀血」です。口から食道・胃・十二指腸までの出血では吐血を、十二指腸・小腸・大腸や肛門の出血では血便を認めることが多いとされています。消化管からの出血では、内視鏡を挿入して出血部位を観察することで診断でき、場合によっては同時に止血処置を行うことができます。また口の中の出血は歯科や耳鼻咽喉科で、肛門からの出血は外科で診断と治療を受けます。喀血は気道や肺からの出血ですので、呼吸器内科で詳しく調べ、治療を受ける必要があります。
3日以上、排便がない。3週間以上、下痢が続く
3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態を便秘といいます。腸や肛門の動きに問題があり便秘をする場合が多いのですが、大腸がんやパーキンソン病、甲状腺機能低下症や薬の副作用など、便秘を起こす原因が隠れていることが少なくありません。
下痢は便の中の水分が増加した状態を指します。3週間以上続く「慢性下痢」と、それ以下の「急性下痢」に分類されます。急性下痢では食中毒を含む細菌・ウイルス感染や食品アレルギーなどが考えられます。慢性下痢は感染のほか、大腸がんや炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)、薬の副作用などでみられることがあります。上記のいずれでもない場合「過敏性腸症候群」という、腸の動きのトラブルによる病気も考えられます。
便秘でも下痢でも、症状の原因が何なのかをきちんと理解し、原因に応じた治療を受けることが大切です。

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