放射線部

概要

放射線部では19名の診療放射線技師が業務にたずさわり、各診療科からの依頼により、高精度の装置と最新技術で各種検査や放射線治療を行っています。検査には、X線撮影・CT・MR・RI・血管造影などがあります
当院の診療放射線技師には、放射線治療専門技師、放射線治療品質管理士、マンモグラフィー認定技師、放射線取扱主任者、放射線機器管理士、放射線管理士、磁気共鳴専門技術者、臨床実習指導教員などの資格を取得した技師が多数いますので、放射線に関する疑問、ご質問がありましたらお気軽に相談ください。

基本理念

  • 安心と安全
  • 優しさといたわり
  • 最新で最適な技術
  • 迅速で有益な情報

基本方針

  • 患者さんの人権を尊重し、奉仕します
  • 最適な医療の実現のため、知識と技術の向上に努め、チーム医療の一員として行動します
  • 放射線管理を徹底し、医療被ばくの低減に努め、リスクマネージメントを常に心がけます
  • 安心・安全な環境と迅速で有益な診療情報を提供します

装置一覧

一般撮影装置 5台 透視装置 2台 ポータブル撮影装置 4台
乳腺撮影装置 1台 臥位式乳房生検装置 1台 骨密度装置 1台
血管造影装置 1台 マルチスライスCT 3台 心カテ装置 2台
放射線治療装置 1台 MR装置 2台 RI装置 1台
外科用イメージ 3台 DR・CR装置 10台 パントモ(セファロ対応)装置 1台

当院の診療放射線技師による認定資格一覧

認定資格 認定者数(名) 認定資格 認定者数(名)
第1種放射線取扱主任者(文部科学省) 5 検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師
(NPOマンモグラフィ検診精度管理中央委員会)
5
磁気共鳴専門技術者
(日本磁気共鳴学会)
2 放射線管理士
(日本放射線技師会)
5
放射線治療専門放射線技師
(日本放射線治療専門技師認定機構)
2 放射線機器管理士
(日本放射線技師会)
4
放射線治療品質管理士
(放射線治療品質管理機構)
2 マスター放射線技師格
(日本放射線技師会)
1
血管造影・IVR 専門診療放射線技師
(日本血管造影・IVR 専門診療放射線技師認定機構)
1 シニア放射線技師格
(日本放射線技師会)
1
X線CT認定技師
(日本X線CT専門技師認定機構)
1 臨床実習指導教員
(日本放射線技師会)
2
医療情報技師
(日本医療情報学会)
1 実習施設指導者
(医療研修推進財団)
2
医用画像情報精度管理士(日本放射線技師会) 1 救急撮影認定技師(日本救急撮影技師認定機構) 1
医学物理士(医学物理士認定機構) 1 医療被ばく低減施設認定取得(2019.12)

(2022年12月現在)

放射線治療について

放射線治療部門では、最新の高エネルギー線加速器システムである米国のバリアン メディカル システムズ社製Clinac iXを導入し、高精度放射線治療に対応可能な体制を整えています。この装置は、6・10MVの2種類の高エネルギーX線と4~15MeVの5種類の高エネルギー電子線による放射線治療が可能であり、治療内容に合わせて最適な治療方法が選択できます。また、装置本体に搭載された通常のレントゲン撮影用X線管球やFPD(フラットパネルディテクター)によるCT撮影や、最新のアルゴリズムによる治療計画が可能な治療計画装置、専用のCTシミュレータなどを用いて、より精度の高い放射線治療をめざしています。
治療時間は、初診時と初回の治療では、治療方針の決定や計画のため約1時間程度が必要となりますが、その後は10分程度の治療で終了します。

各検査について

1.マンモグラフィ(乳房検診)
日本医学放射線学会が定めた仕様基準を満たした装置の中でも、最先端技術である3Dマンモグラフィ装置を導入しました。従来の2Dマンモグラフィでは、1回の撮影で1枚の画像を得られますが、3Dマンモグラフィでは、同じくらいの低X線量と撮影時間で、細かく数十枚の画像を作成できます。
がんの検出率が41パーセント増加し、無用な検査は40パーセント減ったと報告されています。また、従来より圧迫の力をゆるめても診断にあまり影響しないので、痛みに弱い方は遠慮なく担当技師にお知らせください。
検査は日本乳がん検診精度管理中央機構の認定を受けた女性技師が担当し、十分に配慮して撮影しておりますのでご安心ください。
2.CT検査
CTとはX線を用いたコンピューター断層撮影のことで、断面像をもとに任意の3次元立体画像を得ることができます。
当院CT部門ではマルチスライスCTが3台稼働しており、内2台は64列で、GE社製の「VCT」・Philips社製の「Ingenuity Core」、もう1台は治療専用装置で、予約検査や緊急検査に対応し、迅速な検査と被ばく低減に努めています。
マルチスライスCTは全身を高速で高分解能に撮影できる利点があり、10秒程度の息止めで頸部から骨盤までの撮影が可能です。また、低線量撮影画像再構成技術が搭載されており、従来の撮影線量に比べて低線量での撮影ができます。

当院CT検査の特徴

  • 全身を検査対象とする広範囲、短時間検査(当日検査対応)
  • 造影剤を使用した全身の血管(心臓の冠動脈・脳、頸部血管・大動脈・四肢等)の動脈瘤や狭窄部位を検索目的とする3次元表示や狭窄率計測
  • 術前肝臓VolumetryやCTガイド化肺生検
  • 画像解析ソフトによる体脂肪測定
  • 歯科領域のインプラント埋め込み術の術前検査、歯科専用ソフトによる歯列展開パノラマ表示
3.MR検査
3テスラ装置2台を有し、最新の画像を提供します。

当院MR検査の特徴

  • 3テスラ装置は最高峰の装置であり、高精細な画像を撮像
  • デジタルコイルにより雑音の少ない画像を実現
  • マグネットの静磁場均一性と傾斜磁場の性能向上により、画像の高画質化、検査時間の短縮化が実現
  • 送信ラジオ波の最適化により、均一性の高い画像を取得
  • 撮影装置の内径を拡大、また寝台にコイルを埋め込むことにより患者さんへの圧迫感がない快適な検査空間を確保
  • 救急、頭部、腹部、四肢検査などあらゆる場面・部位において高レベルな画像を提供
  • 3テスラ

  • 3テスラ

4.RI検査
当院のRI装置はデュアルヘッドのシンチレーションカメラを有し、全身スキャンとSPECT(断層検査)が可能です。
RI(Radio Isotope:放射性核種)で標識された医薬品を患者さんに投与し、体内の各臓器にRIが集積している状態を画像化して解析を行い診断に役立てます。
検査目的により、検査を開始する時間(注射直後~1週間後)や検査所要時間(15分~1時間半)など大きく異なります。
代表的な検査としては、
  • 骨シンチ(注射して約3時間に検査開始:検査所要時間は約20分)→腫瘍の全身検索可
  • 心筋シンチ(注射して約10分後と約3時間後の2回検査:検査所要時間は10~25分)
  • 脳血流シンチ(注射直後より検査開始:検査所要時間は30~60分)→定量解析可
などがあります。
5.血管造影検査・治療
当院の血管造影装置は、全身用血管造影装置1台と心血管用造影装置2台の計3台を使用しています。
  1. 全身血管造影検査・治療
    血管造影には血管の病変(がん・動脈瘤・出血)の検査を行い、治療・手術に必要な情報を得るだけでなく、IVRと総称される経血管治療が主体となっています。腫瘍に対し直接腫瘍血管へ抗がん剤の注入、血管の狭窄に対しての拡張術、出血に対する止血術、動脈瘤に対する塞栓術等が当院でも多く施行されています。
  2. 心血管造影検査・治療
    心臓の血管造影撮影だけでなく、心臓血管の閉塞、狭窄に対するバルーン、ステントによる心血管治療(PCI)やアブレーション治療が多く行われています。
私たち放射線技師は、夜間・休日の急患の検査・治療に対して速やかに対応できるように体制を整えています。

当院血管造影装置の特徴

  • 3D画像やCT画像が撮影でき、画像解析ソフトを用いて解析することで、より安全で正確な治療が行えます。
  • 最新の画像処理システムにより被ばくの少ない検査が行えます。
6.骨密度測定
装置は先進の技術を応用したもので、高精度な信頼性の高い骨密度測定が可能です。検査は、ベッドに寝た状態で行い腰椎、股関節や全身骨も測定できます。検査時間は腰椎で15分~20分程度です。

その他

当院の放射線部は、地域医療機関の放射線技師研修・教育等も受け入れています。お気軽にご相談ください。
TEL093-671-9335(放射線部受付)