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足がむくんだり、血管がボコボコふくれていませんか?下肢静脈瘤②

2017年 11月10日 09:41

治療法① 保存療法

静脈瘤と診断されても、皮下の細い静脈瘤だけだったり、「別に痛くもないし、困ってもいない」という人は治療の必要はありません。
足のだるさなどはあるけど、手術は嫌だという方も多くいます。その場合には「弾性ストッキング」の着用を勧めています。弾性ストッキングは根本的治療にはなりませんが、静脈うっ滞症状を改善するためには非常に有効です。ちなみに私も手術中は立ちっぱなしなので、履いています。

治療法② 手術

手術により、十分に効果が見込める方は外科手術を勧めます。外科手術は大きく分けて二つ。一つは逆流している本幹の静脈を抜き取る方法(伏在静脈抜去術)です。抜き取るのは表面の静脈だけなのえ、一部を取り除いても問題はありません。

治療法③ 血管内治療

もう一つはレーザーで静脈を焼きつぶしてしまう方法(レーザー焼灼術)です。画像などでの静脈瘤評価や患者さんが同時に抱えている病気(併存疾患)によって手術方法を決定します。術後、傷から出血があったりなど、合併症が起こった時に対処できないため、当院では日帰り手術は行っていません。

症状が似ている病気もあります

下肢静脈瘤の症状に似ていても、静脈瘤でない場合も結構あります。そのときは次のような病気の可能性があります。
まずは『廃用性浮腫』。これは高齢や膝の痛みなどで、立ち上がることや歩くことが億劫であったり、痛かったり、または太っていてあまり動かず、一日の時間の多くを座って生活している人などに起こりがちです。
足の筋肉を使用しないために、足がむくんでいる場合が多く、このような方は、動ける人は動くこと、太っている場合は瘦せること。それができない方は弾性ストッキングを着用して、血液が心臓に戻る手助けをしてあげるのがよいでしょう。また、腫れている状態が長期間にわたるため、皮膚が硬くなったりすることもあります。
次に『リンパ浮腫』。これは足の手術やケガ、過去に蜂窩(ほうか)織炎(しきえん)を起こしたことがあったりして、リンパの流れが悪くなっているため、足が腫れます。
足の腫れ方が不格好で、一日を通して、あまり腫れに差がありません。このような方はやはり弾性ストッキングや下肢マッサージなどの治療となります。

足が急に腫れる深部静脈血栓症(エコノミー症候群)

ほかにも足が急に腫れるという症状で、「下肢深部静脈血栓症」という病気があります。以前、エコノミークラス症候群といわれたものです。検査の結果、この病気と診断された場合は緊急で入院加療が必要となります。下肢の血栓(血の固まり)が飛んで肺動脈に詰まり、最悪、即死ということもあるためです。下肢静脈瘤とは全く違う病気ですので、勘違いなさらずに。
ちなみに「下肢静脈瘤で血栓が頭に飛ぶのが怖い」という方がいますが、まずありえませんので、むやみに不安に陥らないで下さい。