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ストレス・肉体疲労・睡眠不足が引き金に 。メニエール病

2023年 6月12日 11:57

メニエール病ってどんな病気?

メニエール病は10分~数時間ほど続く回転性めまいと、耳閉感や難聴などの耳症状とを繰り返す
病気です。内耳(聞こえや平衡感覚の器官)が水ぶくれ(内リンパ水腫)を起こすことで生じます。
原因はストレスが指摘されていて、過剰に分泌されたバゾプレシン(抗利尿ホルモン)が内耳に作用して水を溜め込み、水ぶくれを起こします。しかし、細かいメカニズムはまだわかっていません。

メニエール病を起こしやすい人の特徴

メニエール病は発作を繰り返す「発作期」と発作を起こさない「間歇期(かんけつき)」があります。
間歇期には強いめまい症状はないものの、ふらつき感や耳閉感・難聴が残ることがあります。
発作は週数回程度から年数回程度まで、さまざまな頻度で起こります。30~40歳代に多いといわれていましたが、近年は60歳以上の増加が目立ちます。

女性にやや多く、「熱中しやすく徹底的にやる」、「周囲の期待に沿うように努める」、「嫌なことでも我慢する」といった行動特性がベースにある方に多いようです。精神的・肉体的疲労や睡眠不足、気象(気圧)変化が誘引となることが多いです。

治療は?

投薬や手術になります(当院では手術を行っていません)。
生活習慣の改善も非常に大事で、ストレス回避や休息のための十分な睡眠確保など、規則正しい生活を行っていただくとともに、適度な運動や水分摂取も発作軽減が期待できます。

有酸素運動と水分摂取のススメ

1日1時間程度の有酸素運動を週3日以上継続し、バゾプレシンの分泌を抑制するために、1日
1.5~2L程度の水分摂取を行うことを推奨します。

保険診療になった「中耳加圧療法」とは

最近、「中耳加圧療法」が保険診療の適応となり、器械をレンタルして自宅で治療が可能になりました。器械を耳に当て、鼓膜を介して加圧を行うことで、中耳・内耳の圧調整ができ、内リンパ水腫が減少するとされています。気になる症状がある方は早めに専門医を受診してください。
(製鉄記念八幡病院 耳鼻咽喉科部長 梅野 好啓(うめの よしひろ)先生に聞きました)
製鉄記念八幡病院 耳鼻咽喉科

 

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