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クスリのはなし

風邪薬のはなし

2017年 12月08日 10:00

冷え込みも厳しくなり、風邪やインフルエンザの流行時期に入りました。
風邪の原因のほとんどはウイルスによるものですが、インフルエンザウイルス以外の、いわゆる
一般的な風邪に効く抗ウイルス薬はなく、抗菌薬(抗生物質)もウイルスには効果がありません。
まちの薬局に並んでいる風邪薬(総合感冒薬)は「発熱、せき、鼻水、鼻づまり」など、症状の緩和(対症療法)が目的です。病院でも風邪と診断されると、症状や体質に合わせて、お薬が処方されます。風邪の諸症状に、どのような薬が使われるのかまとめました。

熱が出た、頭が痛い、のどが痛い(解熱鎮痛薬)

ピリン系と呼ばれる薬剤は強い解熱効果がありますが、まれに薬疹がでることもあります。NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれる薬剤は解熱や抗炎症作用がありますが、小児
には使えません。また、ほかに飲んでいる薬に影響がでる可能性がありますので、注意が
必要です。

鼻水、くしゃみが止まらない(抗アレルギー薬) 

抗ヒスタミン作用により炎症や過敏反応を抑え、鼻水やくしゃみを抑えます。口の渇きや眠気
の副作用があるので、車の運転等をされる方は注意が必要です。

咳(せき)が出る、痰(たん)がからむ
(鎮咳薬・去痰薬) 

脳の咳中枢にはたらいて咳を鎮めます。 「コデイン」が配合されているものは、咳を鎮める効果が強いのですが、眠気や便秘の副作用があります。去痰薬は痰をサラサラにしたり、滑りを良くして痰を出しやすくします。

総合感冒薬

熱や頭痛・のどの痛み・鼻水やくしゃみ・痰のからみ・咳など、風邪のあらゆる症状を緩和するように作られています。不快感を取り除くカフェインが含まれるなど、製品によって配合成分が異なります。それぞれの症状に適した治療がおこなえるように、総合感冒薬よりは個別の症状に対応した薬を飲むほうがいいとされています。 

薬を飲むことによって炎症を鎮め、治りを早くすることができますが、ウイルスに対して
免疫力を発揮するためには基本的に安静と休養が必要です。また普段から健康に注意して、
手洗い、うがいなど予防にも努めてください。
薬について気になることがございましたら、薬剤師までご相談ください。
(後藤 渉 薬剤部長に聞きました) 

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