クスリのはなし
インフルエンザの治療薬(飲み薬・吸入薬・注射薬)について
2025年 1月10日 16:00
冬の時期になると流行するインフルエンザ。
今年も猛威をふるっていることは、皆さまご承知のとおりです。
普通のかぜと異なり、突然の38℃以上の「高熱」や関節痛、筋肉痛、頭痛などのほか、全身倦怠感、食欲不振などの「全身症状」が強く現れるのが特徴です。
治療薬は3つのタイプがあります
インフルエンザの治療薬には飲み薬、吸入薬、注射薬の3つのタイプがあります。これらは、体内でインフルエンザウイルスが増殖するのを抑える作用があります。それぞれの使い方や特徴を簡単にご紹介します。
1.飲み薬(タミフル、ゾフルーザなど)
お水で飲むカプセルや粉薬です。初めて病院に行ったときに多くの方が処方されるのがこのタイプです。飲むだけでウイルスが体の中で広がるのを抑えてくれます。
飲みやすいので、小さなお子さんや高齢の方におすすめです。
1回飲むだけで終わる薬(ゾフルーザ)もあります。
2.吸入薬(リレンザ、イナビル)
吸入器を使って、薬を直接気道や肺に届けるタイプのお薬です。ウイルスがいる気道に直接届くため、早く効果が出ることがあります。
薬を飲むことが難しい方、吸入するのが得意な方に向いています。とはいえ、吸入は少しコツがありますので、医師や薬剤師が使い方を教えてくれます。
イナビルは「長時間作用型」なので、1回使用するだけで良いというのが特徴です。
3.注射薬(ラピアクタ)
点滴で体内に入れるタイプのお薬です。
1回の点滴で治療が終わるので、薬を飲むのが難しい方や症状が重い方に使います。
また、高熱で食事や水分がとれない場合や体力が落ちている方、入院中の方に使われることが多いです。
まとめ
インフルエンザの治療薬は、発症してからできるだけ早く使うことで効果を発揮します。
飲み薬や吸入薬、注射薬のどれが適しているかは、年齢や症状に応じて医師が決めます。
ご自身の状態をしっかり伝えることで、最適なお薬を選んでもらえます。
分からないことがあれば、遠慮せずに医師や薬剤師に質問してください。
(社会医療法人製鉄記念八幡病院 薬剤部長 後藤渉)