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クスリのはなし

健康食品、サプリメントは正しく使いましょう

2020年 10月30日 16:17

サプリメントは医薬品か??

健康への関心が高まる中、新聞、テレビなどでは毎日多くの健康食品・サプリメントの広告を目にします。以前はビタミンや栄養補給などが主でしたが、最近では美容やダイエット、健康維持、病気の治療や予防等々、様々な効果を期待して摂取している方が多いのではないでしょうか。
ほとんどの人が知っている「健康食品」や「サプリメント」という言葉。実は法律上、定義はありません。一般に健康食品とは「健康の維持増進に役立つ食品全般」、サプリメントとは「ビタミンやミネラルなど、健康の維持増進に役立つ特定の成分を濃縮し、錠剤やカプセル状にしたもの」と考えられています。
一見、医薬品と同じように見えるかもしれませんが、医薬品としてよいのは有効性や安全性を確保するために承認・許可を受けたもののみであり、食品である健康食品やサプリメントは「~に効く」といった効能・効果を表示することができません。ただし保健機能食品である「特定保健用食品(特保:トクホ)」、「栄養機能食品」、「機能性表示食品」は限られた範囲で特定の保健機能や栄養機能を表示することが認められています。

商品のパッケージをまず確認しましょう!

健康を維持するための基本は栄養、適度な運動、十分な休養の3つです。栄養については特定の栄養を偏ってとるのではなく、適量をバランス良くとれるよう心がけ、食事内容や食生活を見直すことも必要です。バランスのとれた食生活を意識したうえで、自分に必要な健康食品・サプリメントを選ぶようにしましょう。
健康食品・サプリメントを購入する際には品質がしっかりしているもの、安心して摂取できるものを選ぶ必要があります。まずは商品のパッケージをじっくりと見て、“成分名”、“含有量”、“原材料”、“使用期限”、“製品についての問い合わせ先”が記載されているかを確認して下さい。
特に「海外製品」「個人輸入」には要注意です。「食品」と記載しながら医薬品成分が含まれている違法な製品が販売されている事例もあります。また「天然成分配合」「自然」などの文字が書かれていると一見安全、安心と思いがちですが、天然成分由来のものでもアレルギー等を引き起こすこともありますので注意しましょう。
      

過剰摂取は禁物です!

健康食品・サプリメントを摂取するときは、表示されている1日の目安量を必ず確認し、守るようにしてください。摂りすぎは良くありません。たくさん飲めばよく効き、より健康になるわけではありません。過剰摂取による体調不良を引き起こすこともあります。
また、1度に何種類ものサプリメントを摂ると、同じ成分が重複していることもあり、服用中の医薬品や健康食品・サプリメント同士の飲み合わせにより、思わぬ副作用が出ることもあります。
健康食品・サプリメントは人への作用が未解明な成分が多く、医薬品ほど多くの研究や情報がないのが実情です。摂取するときは、どこのメーカーのものをいつ、どのくらい飲んだかなどをメモし、万が一体調が悪くなったときは、すぐに使用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。
また健康食品・サプリメントを摂取しても、良い実感が得られないときは、思い切ってやめてみることも大切です。
健康食品・サプリメントの上手な活用方法は、健康食品・サプリメントを利用しながら生活習慣や食生活も一緒に見直していくことです。


                  (製鉄記念八幡病院 薬剤部 後藤 渉部長に聞きました)

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