せいてつLab ~医療を知る 健康を守る~

Feature | 特集

夏は痛風が多発?! 足が腫れる「痛風」について

2019年 6月05日 13:00

「痛風」って聞いたことがありますか? 

風が当たっても痛いから「痛風」と言い、患者さんは足を引きずり、「痛み半端ないって」と顔をしかめられます。
痛風は、尿酸が関節や腎臓のなかで結晶となってとどまり、炎症を起こすことで関節の激しい痛みや腎機能障害をもたらします。
特に足の第1趾(親指)の付け根が好発部位です。足は体の中でも温度が低いので尿酸が結晶になりやすく、ゴルフの時のように硬い靴を履いて歩くと、その刺激で関節に張り付いていた結晶が関節腔内にはげ落ち、そこを白血球が攻撃して激しい炎症を起こします。

尿酸値と発症リスク 

尿酸値が7.0以上は要注意、8.0を超えると痛風の発症リスクが高くなります。
最近は尿酸が高いことは、痛風がなくても腎機能障害や脳卒中、心筋梗塞などのリスクも上げることがわかってきましたので、尿酸が高い場合は、生活習慣の改善や薬物治療によって6.0以下を目標として下げる必要があります。

飲酒と肥満に注意

食事療法で大切なのは、飲酒制限と肥満の是正です。
よく「ビールは悪くて焼酎はいい」と言われます。
確かに尿酸の原料となるプリン体はビールに多く含まれますが、アルコールそのものが尿酸値を上げますので「ビール以外ならいい」訳ではありません。
 

お酒控えめ、カロリー控えめ、野菜たっぷり。運動して水分補給

また、焼き鳥(バラ、肝など)、アジの開きなどの食品には、ビールよりプリン体が多く含まれています。「プリン体を制限する」というのは結構、難しいものです。
一方、野菜・海藻類・乳製品などをたくさん摂取し、水分を十分に取ると尿がアルカリになり、
尿酸が尿に溶けて体外に排泄されやすくなります。
「お酒控えめ、カロリー控えめ、野菜たっぷり。運動して水分補給」が尿酸を上げないコツと言えます。
健診で尿酸値が7.0以上の方は生活習慣を見直し、それでも下がらない場合は、是非ご相談ください。
(製鉄記念八幡病院 土橋卓也病院長)

「Feature | 特集」最新記事