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家族が認知症になったら~関わり方のコツ~
2025年 1月21日 14:29

家族が物忘れがひどくなったり、これまでできていたことができなくなったりすると、心配になると思います。しかし、認知症患者さん本人も同じように戸惑い、不安を感じています。
お互いに少しでも安心して暮らせるように、ちょっとしたコツをお伝えします。
関わり方のコツ
①相手のペースに合わせる
・急かさない
・わかりやすくゆっくりと話す
認知症の方は記憶力だけでなく、考えたり情報を処理したりする力も低下しており、時間を必要とします。相手のペースに合わせて接するようにしましょう。
②プライドを傷つけない
・否定しない
・できないことを強要しない
・感謝の気持ちを伝える
患者さん本人もできないことが増えて、不安な気持ちを抱えています。できごと自体は忘れてしまっても、「うれしい、悲しい」などの感情は残っています。尊重して接することで、穏やかに過ごすことができます。
③役割を取り上げない
・家事 ・仕事 ・趣味
できないからと全て取り上げるのではなく、何かしら役割があることで自信を取り戻し、認知症の進行を抑制することにつながります。
④一緒に運動する
認知症の進行の予防にも、適度な運動が良いと言われています。
ウォーキングなどの軽い運動や一緒に買い物に行くなど、身体を動かす時間をつくりましょう。
家族が無理をしないコツ
認知症の方の介護は、身体的だけではなく精神的な負担も大きくなります。家族で役割を分担したり、介護サービスを利用したりして、無理せず休むようにしましょう。
また相談窓口として「地域包括支援センター」や「ものわすれ外来」があります。心配なことや困ることがあったときは、1人で抱え込まずに気軽に相談してみてください。
参考文献:認知症疾患診療ガイドライン2017
(製鉄記念八幡病院リハビリテーション部 理学療法士 内田佳子)