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男性の皆さん、前立腺がん検診を受けていますか? 

2019年 6月25日 14:38

男性が罹患する癌で、もっとも増加している前立腺がん

近年、食生活の欧米化や検診の普及で、日本人の前立腺がん増加率は年々上がり、2020年頃には男性が罹患する癌の第1位になることが予想されています。
ちなみに昨年度、当院の泌尿器科外来での新規がん患者さんの49%が前立腺がんでした。

どのような診断をするの?

前立腺がんは初期症状がほとんどありません。
そのため、早期に癌を発見するためには、検診を受けていただくことが重要です。
北九州市では50歳以上の男性はほとんどの病院、クリニックで前立腺がん検診が受けられます。
まれに対応していない施設があるため、受診前にご確認ください。
費用は1000円で、採血を行いPSA(前立腺特異抗原)を測定します。

PSA検査とは

PSAはprostate specific antigen(前立腺特異抗原)の略で、前立腺から分泌されるPSAタンパクという物質が血液中にどれだけ存在するかを測定します。前立腺がんを早期発見するための検査法です。
健常な男性の場合、PSAが血液中に浸出することはほとんどありません。しかし、前立腺に疾患がある場合は血液中にPSAが浸出し、血液検査での測定が可能となります。
PSA≦4が正常、PSA>4の場合は罹患の可能性があるため、2次検査として専門病院で前立腺生検の検討をおこないます。生検とは疑わしい病変の一部を切り取って、腫瘍の存在を詳しく調べて病気の診断を行うものです。

生検でのがん陽性率はPSA:4~10で30%前後、PSA>10で50%以上と、PSAが高くなれば陽性率は上がります。
PSAが高いほど癌の進行、転移の可能性が高いとされます。

前立腺がんの治療は?

生検で癌と診断されれば、病気の広がりを確認する画像評価(CT、骨シンチなど)を行います。
病気の進行の程度で治療法は異なり、早期であれば根治療法(手術もしくは放射線治療)がもっとも完治が望める治療となります。
がん細胞が小さく悪性度が低いケースでは、無治療経過観察(治療せずPSA採血での経過観察)も選択されます。
一方、進行して転移があるケースでは、手術などでの根治が望めないため、全身への治療として内分泌療法(男性ホルモン除去療法)が行われます。この治療効果は高く、転移を起こしていても5年以上生存する可能性は50%以上で、比較的進行はゆっくりです。しかし、内分泌療法に半数の方は抵抗性となり、死を覚悟しないといけない場合もあります。

50歳を過ぎたら、症状がなくても前立腺がん検診を!

ほかの癌に比べ、前立腺がんは比較的予後はよいです。しかし進行したケースでは死にいたることもあります。そのため、早期発見はとても重要です。
繰り返しになりますが、早期には前立腺がん特有の自覚症状がありません。
50歳を過ぎたら一度、症状がなくても前立腺がん検診を受けることを強くお勧めします。

(参照)前立腺がん情報  https://www.zenritsusen.jp/index.html

(製鉄記念八幡病院・奥村幸司泌尿器科部長に聞きました)

 

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