せいてつLab ~医療を知る 健康を守る~

Feature | 特集

5月から熱中症は発生します。ご注意ください

2020年 5月13日 11:12

5月から熱中症は発生します

昨年5月、すでに全国で4,448人が熱中症で救急搬送されました(年間の熱中症搬送者の6%、総務省消防庁)。今年は新型コロナ感染予防で皆さん、Stay Homeを余儀なくされています。
特に高齢者は運動不足、体力低下で、熱中症にかかりやすくなっている可能性があるといった報道もされています。
循環器・高血圧内科部長の藤島慎一郎医師に「熱中症」について聞きました。

今年も暑い夏がやってきます

地球温暖化の影響でしょうか。気象庁のホームページによると、日本の夏の平均気温は最近30年で約1度上昇しています。今の暑さは昔とは違うのかもしれません。
夏は熱中症に要注意です。熱中症とは暑さに体が適応できず様々な障害が生じた状態で、北九州市では毎年約300~500人の方が、熱中症のため救急車で搬送されています。
立ちくらみ、生あくび、こむら返りなど、比較的軽い症状から、頭痛、吐き気、だるさ、さらに重症になると意識がもうろうとなり、けいれんなども生じ、生命が危険な場合もあります。

屋内での熱中症にもご注意を

熱中症は炎天下で運動や作業をしている時に起こるものだと思われがちです。しかし、屋内の高温下での作業中はもちろん、体温調節機能の弱った高齢の方は、家や施設の中でも熱中症になることがあります。
2019年の北九州市の統計では、1シーズンで406人の方が熱中症のため救急搬送され、そのうちの247人(60%)が「屋内での発生」でした。患者の約半数は65歳以上ですが、18歳から64歳も140人(34%)を占めており、働き盛りで体力のある方でも油断は禁物です。
屋内での熱中症はあまり注目されていないため気づかれにくく、発見が遅れがちです。
高血圧、糖尿病、心臓病などの持病のある方は、病気や薬の影響で症状が重くなることもあり、
特に注意が必要です。

対策は

対策としては、まず予防です。高温が予想される日には、早めに冷房を使用し、食事、水分、休息をきちんととり、体調の変化に注意してください。
自分で異変に気付かないことも多いので、周囲の方の様子をお互いに観察しあうことも重要です。異変を感じたら、積極的に体を冷やす、水分を補給する、吐き気などで水分が摂れない場合は病院で点滴をしてもらうなどの対処を早めに行ってください。
普段から、声をかけあい、気をかけあって、熱中症の予防、対策に取り組みましょう。

室内で熱中症を起こさないためには?

高齢者は節電意識が高く、エアコンや扇風機を苦手にされる方も多いようです。
しかし、夏場は我慢せずにクーラーを使いましょう。室温は28度、湿度は60%以下が目安です。のどが渇いていなくても、定期的に水分補給しましょう。
 

 

 

 

「Feature | 特集」最新記事