Feature | 特集
自覚なく進行の可能性がある「胃がん」について
2020年 11月09日 13:53
日本における死因の第一位は悪性新生物であり、「がん」は日本人にとっては身近な病気です。
そのなかでも胃がんは患者数が多いがんのひとつです。
胃がんの原因は?
胃がんの発生要因には、喫煙・ピロリ菌の感染があります。それ以外には、高塩分食品の摂取が発生する危険性を高めると言われています。
胃がんの症状は?
胃がんは、早い段階では症状がほとんどありません。胃の痛み・違和感・胸やけ・食欲低下・吐き気・体重減少・食事のつかえ感などが代表的な症状ですが、かなり進行しても症状がない場合もあります。
胃がんの治療は?
胃の内側は粘膜で覆われており、この粘膜から胃がんは発生します。進行するにつれて胃の壁の外側に向かって大きくなっていきます。進行すればほかの臓器に転移します。
ごく早期の胃がんであれば、口からの胃カメラ(内視鏡的治療)で治療することができますが、手術が必要になることも多いです。手術にはおなかにカメラを入れて行う腹腔鏡下手術と開腹手術があります(図1)。ほかの臓器に転移しているような胃がんに対しては抗がん剤治療が必要です。
胃がんの予防は?
日本人を対象とした研究では、がんの予防には禁煙・節度のある飲酒・バランスの良い食事・身体活動・適正な体形の維持が効果的といわれています(図2)。胃がんの予防には「ピロリ菌」に感染している人では除菌治療が有効です。また喫煙も胃がんに関係するため、禁煙も必要です。
早期発見のためには?
がんは早期であるほど「なおる」可能性が高まります。そのために40歳を過ぎたら胃の検診(内視鏡検査・胃透視など)を受けるようにしましょう。何か気になるような症状があれば、病院にかかるようにしましょう。
(消化器外科部長 難波江 俊永先生に聞きました)