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若年性認知症について

2024年 4月03日 15:27

若年性認知症は男性の方が多い?!

65歳未満で発症した認知症のことを若年性認知症と呼びます。全国の若年性認知症の数は約3.57万人とされ(厚労省)、男女別にみるとやや男性のほうが多く、女性が多い65歳以上の老年性認知症と異なります。

症状について

若年性認知症の症状は、老年期の認知症と似ています。例えば、朝食のおかずの品が思い出せないのではなく、食べたこと自体を忘れてしまう「もの忘れ」や取引先との約束時間を間違えたり、何度も訪れている場所なのに帰り道がわからなくなるといった「見当識障害」、意欲低下や幻聴などが代表的な症状です。

若年性認知症の原因​は

一番多い原因は脳血管障害によるものです。そのほか頭部外傷、アルツハイマー型認知症などがあります。アルツハイマー型認知症は老年性認知症の一番多い原因で、脳に「アミロイドβ」という異常なたんぱく質が蓄積して正常な脳細胞を破壊し、認知機能に異常をきたします。
2023年12月、このアミロイドの蓄積を取り除く、新治療薬「レカネマブ」が発売され、注目を集めています。ただし、希望するすべての人に適応されるわけではなく、詳しい検査結果から医師が判断して治療適応か否かを決定します。
 

早期発見が重要です!

働き盛りの方に起こる若年性認知症は、「何かおかしいかも…」と自分で異変を感じたとしても、忙しくてすぐに受診できなかったり、「疲れのせい」と見過ごすケースが多くあります。
認知症も早期発見・早期治療が重要です。ご家族、職場の方などが、その方の違和感をもし感じたら、早い段階でかかりつけ医や脳の専門医などの医師に相談することを勧めてあげてください。
(製鉄記念八幡病院 副院長/脳卒中・神経センター長 荒川修治先生に聞きました)

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