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高齢者の足のむくみは、腎臓病が原因?
2026年 9月09日 14:38
高齢者の足がむくむのは、病気なのか?
足のむくみは、皮下組織に余分な水分や塩分がたまった状態で、医学的には「浮腫(ふしゅ)」と呼ばれます。
体内の水分や塩分が多すぎて血管外に漏れ出た場合や、血液中の蛋白質(アルブミン)が減少して血管内に水分を保てなくなった場合、あるいは静脈やリンパ管の流れが悪くなった場合などに生じます。
靴下の跡が残る、すねを押すとへこんだままになる、といった症状が代表的ですが、重症では顔や全身が腫れたり、胸やお腹に水がたまり腹部膨満や呼吸困難になることもあります。
1日中むくむ、左右差がある、息切れ・体重増加を伴う場合は受診を
高齢者では加齢にともなう、筋力低下によるポンプ機能低下や静脈弁機能の低下、長時間の座位や臥床の影響で起こりやすく、高齢者の約20~35%、75歳以上では40%以上に認められます。
そのため、夕方に軽くむくむことは珍しくなく、必ずしも病気とは限りません。
しかし、1日中むくんだり、急激な悪化や左右差、息切れや体重増加を伴う場合は、病気の可能性があるため受診が必要です
むくみと腎臓病との関係
腎臓は余分な水分や塩分を尿として排泄し、体液量を調節するため、腎機能が低下すると浮腫が起こりやすくなります。
eGFR(推算糸球体濾過量)は腎臓の排泄能力を示す、おおまかな指標です。
eGFRが45mL/分/1.73㎡未満になると、塩分を取り過ぎると、塩分が体に残って浮腫が出やすくなり、30未満ではさらに増加し、15未満では高頻度に認められます。
加齢や食生活も影響
高齢者では加齢に伴う腎機能低下が起こっていることと、塩分が多い和食中心の食生活(味噌、醤油、漬物など)を好むことが相まって、浮腫が起こりやすくなります。
一方、年齢に関係なく、ネフローゼ症候群を代表とする蛋白尿が大量に出る腎臓の病気では、血液の蛋白(アルブミン)が減少し、腎機能に関わらず全身に強い浮腫を生じるため、早期の治療が必要です。
腎疾患による浮腫かどうかは、採血(eGFR、アルブミン)や検尿(尿蛋白)で比較的容易に判断できます。
腎臓病以外のむくみの原因は?
実は、下肢浮腫の原因として腎疾患が占める割合は10%未満です。高齢者では、慢性静脈不全(静脈弁の機能不全、静脈瘤、深部静脈血栓症など)が原因として最も多く、30%以上にのぼるという報告もあります。左右差のあるむくみが特徴で、血管外科や循環器内科が専門となります。
そのほか、心不全、肝硬変、低栄養、甲状腺機能低下症、薬剤など原因は非常に多いため、むくみを認めた場合は腎臓病と決めつけず、基礎疾患や栄養状態、服薬状況を含めて、総合的にかかりつけ医に評価してもらい、必要に応じて適切な専門医につなげてもらうことが重要です。
監修:製鉄記念八幡病院 理事長/病院長 柳田太平
→詳しくは腎臓内科ページ


