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慢性的な腹痛・下痢。腸の難病「IBD」かもしれません

2026年 8月12日 10:43

慢性的な腹痛や下痢。腸の難病「IBD」かもしれません

炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)は、主に大腸に炎症が起きる「潰瘍性大腸炎」と、口の中や小腸、大腸、肛門など消化管全体に炎症が起きる「クローン病」の2つを指します。

どちらも腹痛や下痢、血便、発熱などを繰り返す国指定の難病です。
現在、わが国の患者数は潰瘍性大腸炎が約32万人、クローン病が約10万人と推計されています。10〜30歳代の若年層に多くみられますが、近年では中高年で発症する方も増えています。単なる胃腸炎やストレスのせいだと思い込み、発見が遅れるケースも少なくありません。

診断方法と、大きく進歩した治療

IBDの診断には血液検査や便検査のほか、内視鏡検査が非常に重要です。必要に応じてCTやMRI、造影検査などを組み合わせることで、病気の種類や広がり、重症度を詳しく評価します。
かつては治療が難しく、日常生活に大きな支障をきたすことも多かった病気ですが、近年の治療法の進歩は目覚ましいものがあります。

従来の基礎的なお薬やステロイド治療に加え、近年では炎症を引き起こす原因物質をピンポイントで抑える「生物学的製剤(バイオ製剤)」や「JAK阻害薬」「S1P受容体調節薬」といった新薬が登場しました。これにより、多くの患者さんが症状をコントロール可能となり、発症前と変わらない健やかな日常生活や社会復帰を送れるようになっています。

さらに現在は症状を改善するだけでなく、腸の炎症をしっかり治す「粘膜治癒」を目標に治療が行われていて、症状や炎症の再燃を起こりにくくすることが期待されています。

当院の診療体制は

当院にはIBDの患者さんが約200名通院しておられます。
専門医が診察にあたり、患者さん一人ひとりの病状やライフスタイルに応じた治療をご提案しています。また、内科的治療から外科的治療、服薬指導、栄養管理にいたるまで、多職種がワンチームとなって患者さんをトータルでサポートできる体制を整えています。

「お腹の調子がずっと悪い」「血便が出る」「理由もなく体重が減ってきた」といった気になる症状があれば、決して我慢せず、早めにご相談ください。
消化器内科を初めて受診される際は、まずはお近くの「かかりつけ医」に紹介状(診療情報提供書)を書いてもらった上でご持参いただくと、その後の診療がスムーズに進みます。
大切な腸の健康を、私たちと一緒に守っていきましょう。

監修:社会医療法人製鉄記念八幡病院 消化器内科部長 中村滋郎
→ 消化器内科ページ

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