Feature | 特集
健診で「脂肪肝」と言われたら
2026年 11月06日 10:35
健康診断で最も多く指摘される肝疾患が「脂肪肝」です。
脂肪肝は放置すると、肝硬変や肝がんにつながる場合があります。健診をきっかけに、生活習慣を見直すことをおすすめします。
脂肪肝はどんな病気?
脂肪肝は、肝臓に余分な脂肪がたまった状態です。お酒の飲みすぎだけでなく、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病とも深く関係しています。こうした代謝異常を背景とする脂肪肝は、医学的には「代謝機能異常関連脂肪性肝疾患(MASLD)」と呼ばれます。多くは自覚症状がありませんが、一部は「代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)」に進行し、肝硬変や肝細胞がんに至ることがあります。
どんな検査をするの?
脂肪肝がみられた場合は、飲酒量や服用している薬、BMI、血圧、血糖値、コレステロールや中性脂肪などを確認します。血液検査ではAST、ALT、血小板数などを組み合わせ、肝臓がどの程度硬くなっているか(肝線維化)を推測します。腹部エコー検査では脂肪肝の程度を評価し、肝硬度の測定を行います。また、ウイルス性肝炎、自己免疫性肝炎など、脂肪肝以外の原因が隠れていないか調べることも大切です。
脂肪肝の治療は?
治療の基本は、食事と運動を中心とした生活習慣の改善です。現在の体重から5%程度減らすことで脂肪肝の改善が、7~10%以上の減少で炎症や肝線維化の改善が期待できます。体重60kgの方なら、まず3kgの減量を目指しましょう。急激なダイエットは避け、自分に合った目標を医師や管理栄養士と相談しましょう。
食事:適正エネルギー摂取を基本とし、甘い飲み物やお菓子を控えましょう。
お酒:習慣的な飲酒は悪化の原因となるため、少量であっても控えるべきとされています。
運動:やや息が弾む程度の早歩きを1回30分、週5日を目標とします。
日常生活の中で、エレベーターではなく階段を利用する、少し遠くまで歩くなど、無理せず継続できる方法が有効です。
肝臓専門医からメッセージ
脂肪肝は、早い段階であれば生活習慣の見直しによる改善が期待できます。現在、肥満症やMASHとしての治療薬の使用は、すでに悪化している方に限定されています。悪化させないためにも、できることから一つずつ続けていきましょう。
健診で肝臓の数値や腹部エコーの異常を指摘された方は、まずはかかりつけ医にご相談ください。
監修:社会医療法人製鉄記念八幡病院 肝臓内科部長 大穂有恒
→ 肝臓内科ページへ


