学術活動

第322回 日本内科学会九州地方会「研修医奨励賞」受賞

今回、「Basedow病(甲状腺機能亢進症)の治療により類もやもや病の血管狭窄が改善した1例」という題で発表させていただきました。
脳血管内科をローテ―トしている時に経験した1例です。

Basedow病に起因する類もやもや病については、治療により症状が改善したとの報告は散見されますが、血管形態が変化することについて調べられた論文は過去にほとんどなく(和文2報、英文2報)、報告に値すると考えられました。さらにこの症例は甲状腺機能が一旦改善した後に(妊娠を契機に)再度増悪しており、それと並行するように血管狭窄が一旦改善し、再度狭窄するという経過をたどりました。つまり、甲状腺ホルモン値に応じて血管形態が変化しており、非常に示唆的でした。

脳血管内科の先生方からは、3か月間、お忙しい合間を縫ってご指導いただき、感謝してもしきれないほどです。
今までに小規模な研究会で発表したことはありましたが、公の学会での発表は初めてであり、論文の検索方法、スライドのまとめ方など、基礎的なことから入念なご指導を受けることができました。
特に、異なる専門領域の先生方にも分かりやすいように、かつ5分という短い制限時間内でストーリーを構成し、スライドを作成することは困難を極めました。
自分で作っては訂正を受け、の繰り返しでしたが、最終的には満足のいくスライドを完成させられました。
その後は、発表に向け、2週間前からは毎日、時間を見つけては、病院内でも自宅でも、暗唱出来る程度まで、練習を行いました。

結果として、スムーズに発表を終えることが出来、研修医奨励賞までいただけましたので、大変感慨深い学会発表となりました。

私は内科に進む予定であり、今回学んだ一連の流れは、必ず今後に役立つものと考えられます。受賞に満足することなく、引き続き、日々の業務に全力を注いでいきたいと思います。

才木 琢登