学術活動

第23回 日本救急医学会九州地方会
「学生・研修医セッション」優秀演題賞を受賞して

今回、「緊張型頭痛とされた難治性頭痛に対して問診がきっかけで診断し得た脳静脈洞血栓症の一例」について発表させていただきました。

若年女性の頭痛は日常診療で多く経験し、原因は片頭痛や月経関連など多岐にわたります。一方、脳静脈洞血栓症(Cerebral Venous Thrombosis:CVT)は全脳卒中の約1%以下と稀な疾患ですが、妊娠や経口避妊薬の内服に起因した発症で若年女性の頭痛の原因になり得ます。今回は複数の医療機関を受診され、緊張型頭痛と診断されていた症例で、本人を1人にした後の再問診で、経口避妊薬の内服が判明しCVTと診断し得た一例を経験しました。

救急部・脳血管内科の先生方にはお忙しい合間にも関わらず色々とご指導をいただき、大変感謝しています。公での発表は初めてであるため戸惑うことが多く、資料の収集やスライドのまとめ方、また6分以内の短い制限時間内でいかに分かりやすく伝えるか等、基礎的なことから教えていただきました。

特に、一目で分かりやすいスライドを作成するため、要点を絞り図形や色のコントラスト等を上手く活用することがとても難しく、何度も添削をお願いしました。修正を重ねた結果、最終的には満足のいくスライドが完成し、達成感を得ることができました。

また、発表に向けて「伝えたいことを絞って、なるべく相手の方をみて発表しようか」との先生からのアドバイスにより、原稿は作成せず要点を暗記して発表する練習を繰り返し行いました。本番では「聞きやすく、わかりやすい発表だったよ」と感想をいただき、さらに優秀演題賞をいただくことができ、とても光栄で嬉しかったです。

今回、先生方より学んだこと、また公式の場で発表する機会を頂けたことは私にとって貴重な経験となりました。この経験を生かし、今後もしっかりと研鑽を積んでいきたいと思います。

澤村 夏生