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気をつけよう!冬の高血圧。冬は血圧が上がりやすい傾向に
2019年 1月15日 16:14
冬に血圧が上がる理由
冬になると血圧が上がりやすくなります。なぜだと思いますか? 寒いからでしょうか?
確かに寒さに暴露されると血圧は上昇します。
例えば、4℃の水中に手首までつけると、平均して血圧が10-20mmHg上昇します。高血圧の方だと、さらに上昇する場合があります。これは血圧を調節する交感神経が刺激されて血管を収縮させることが主な原因です。
また、冬は鍋物など塩分の多い食事が増えること、発汗が少なく、運動不足になりがちで体重が増えることも血圧上昇の要因となります。
晩酌習慣がある方は、夜の血圧は低下しますが、朝方の血圧は逆に上昇する「モーニングサージ」が生じやすいことが知られていますので注意が必要です。
冬の血圧上昇は脳卒中や心筋梗塞リスクを高める
高血圧の方では、夏と冬の血圧差が10mmHg程度ある方が多いです。
中には20-30mmHg程度変化する方もあり、家庭で測定された血圧の変化をみながら薬を調節することも少なくありません。冬場の血圧上昇は脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めます。
朝、起床後の血圧が135/85mmHgを超える場合、脳卒中のリスクが高くなることが報告されていますので、高血圧の方は薬の服用の有無に関わらず、朝の血圧測定を心がけて下さい。
ヒートショック対応もお忘れなく
ヒートショックと呼ばれる脱衣場と浴室の温度差や部屋とトイレの温度差も、血圧変動の要因となります。家全体を暖かくする工夫が必要です。
脳卒中・狭心症・心筋梗塞のサインに注意!
万一、脳卒中や心筋梗塞が疑われたら、一刻も早く救急車を呼びましょう。受診が早いほど治療の選択肢が増え、症状の改善や重症化の防止が期待できます。
「顔(片方がゆがむ)・腕(片方の力が入らない)・言葉(ろれつが回らない)」が脳卒中のサイン、「胸が締め付けられる、冷や汗」などが狭心症・心筋梗塞のサインです。
これから新年会や送別会など何かと会合の多いシーズンです。
お酒はほどほどに、天気がいい日はウォーキング、そして朝の血圧を測って上手に冬場を乗り切りましょう。 (製鉄記念八幡病院 土橋卓也病院長に聞きました)