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意外と身近だけど注意したい!「睡眠時無呼吸症候群」

2019年 11月08日 10:58

睡眠時無呼吸症候群。またの名をSAS(サス)といいます

睡眠時無呼吸症候群は「Sleep Apnea Syndrome(SAS)」の略で、睡眠中に繰り返し呼吸が止まるため、さまざまな合併症を起こす病気です。
気道の空気の流れが10秒以上、止まった状態を医学的に「無呼吸」と言います。
無呼吸もしくは、それに近い状態である「低呼吸」が、一晩7時間の睡眠中に30回以上か、1時間
あたり5回以上あるのが睡眠時無呼吸です。
そこに、いびき・夜間頻尿・日中の眠気・起床時の頭痛などの症状がみられる場合にSAS(サス)という病名がつきます。

日中の眠気が引き起こす居眠り運転、労働災害が危険

SASの患者さんは日中の眠気により、作業効率の低下、居眠り運転事故や労働災害を引き起こす可能性があります。高血圧、心臓病、脳卒中、糖尿病などとも深い関わりがあります。
SASの多くを占める閉塞性SASは、いびきと大きく関わっています。
閉塞性SASの患者さんの約93%に、習慣性いびきが見られるという報告があります。
さらに、約50%が高血圧を合併、高血圧中年男性の約30%が閉塞性SASを合併という報告もあります。

主な原因は?

閉塞性無呼吸は、仰向けで寝ている時に重力の影響などで起こる舌根沈下が、様々な原因(肥満による首回りの脂肪沈着、扁桃肥大、舌が大きい、鼻炎・鼻中隔弯曲、あごの後退、あごが小さいなど)で顕著となり、気道を狭くしたり、塞いだ場合に起こります。

 
『日本呼吸器学会ホームページ「呼吸器の病気 睡眠時無呼吸症候群」より』

診断は?                 

診断はまず自宅での簡易検査から行います。疑わしい場合は専門医療機関で、一泊入院により精密検査を行い、確定診断にいたります。
無呼吸・低呼吸指数が1時間に20回以上あれば、睡眠中にCPAP(シーパップ)という医療機器を装着する在宅治療の適応になります。また、特殊な口腔内装置(マウスピース)を使用する治療法もあります。さらにアデノイドや扁桃肥大がある方には、手術が考慮される場合もあります。

予防は?

SASの予防は肥満を伴う場合の減量、節酒、禁煙など生活習慣の改善になります。
いびきが強い方で日中の眠気や高血圧などがある場合は、かかりつけ医へご相談ください。

※SAS検査の体験記はコチラをクリックしてください!
https://www.ns.yawata-mhp.or.jp/about/img/book/pc/118.pdf?191011

(呼吸器内科部長 古森雅志先生に聞きました)

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