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11月14日は「世界糖尿病デー」。あらためて糖尿病についておさらい
2019年 11月11日 14:59
11月14日は「世界糖尿病デー」です
世界糖尿病デーのシンボルマーク「ブルーサークル」にちなみ、世界各地の有名なモニュメントなどが青色にライトアップされます。糖尿病への治療、療養に対する啓発運動を推進する世界糖尿病デーは日本でも認知が広がっています。
糖尿病とは?
血液中のブドウ糖濃度、すなわち血糖値が持続的に高くなる病気のことです。
日本国内の糖尿病患者数は約1,000万人、糖尿病予備軍は1,000万人と言われています。
糖尿病のうち90%以上を占めるのが「2型糖尿病」です。
発症原因は?
遺伝的素因に加齢、過食、運動不足、肥満などの環境因子が加わって発症します。両親が2型糖尿病である場合、65歳までに発症する確率は40~50%です。もし、家系内に糖尿病の方が多いとすれば、正しい知識や予防方法を学んで、早い時期から環境因子を調整することが得策と考えます。
これにより糖尿病発症と進行を予防することができるのです。
高血糖状態が続くと…
何年も高血糖が続くと、「慢性合併症」と呼ばれる血管障害が起こります。
神経障害、網膜症、腎症といった細小血管合併症や、脳梗塞、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症(足の血管が細くなる)といった大血管合併症がそれにあたります。
これらは糖尿病発症後の年数に比例して起こり、また高血糖が長期間に渡って続くと起こりやすくなります。
食事療法と運動療法で合併症を予防!
日常生活や社会生活に支障をきたし、精神的な不安や経済的な負担も大きくなります。ただし、もし糖尿病を発症したとしても、適切な治療を行うことで血糖値、脂質、血圧等を改善できれば、これらの合併症を予防できることがわかっています。
だからこそ、早い時期から糖尿病について正しい知識を身につけることが大切です。
2型糖尿病では「食事療法」と「運動療法」が基本です。糖尿病治療のための食事は健康食といわれており、総エネルギー量、食品のバランス、食事のタイミングが大切です。
運動療法は息がはずむくらいで1回15分以上、週に3回以上が望ましいです。食事療法と運動療法では十分な血糖値の改善が得られない場合に薬物療法を行います。
まずは健康診断で現在の自らの身体の状態を確認してみることから始めませんか。皆様が健康寿命を延ばして素敵な人生を送って頂くことを切に願う次第です。
(糖尿病内科部長 井元 博文先生に聞きました)