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最近、話題の「ACP」愛称は「人生会議」。誰が何を決める会議なの?

2019年 12月24日 11:14

ACP(アドバンス・ケア・プランニング)は「自分が人生の終末期に、望む医療やケアについて家族や友人らと事前に考え話し合い、医療従事者やケアに関わる人々と情報を共有すること」です。愛称を「人生会議」としさらなる普及をはかろうと、厚労省が作成したポスターが話題になったことは記憶に新しいところです。
ACPに詳しい北九州市八幡医師会八幡在宅医療・介護連携支援センターの松本 麻子さんに話を伺いました。

そもそも、今なぜ「ACP」なのでしょうか

私たちは事故や病気で突然、意思表示ができなくなる場合があります。心肺停止になったときに、心臓マッサージなどの延命治療を希望するのか、人工呼吸器が必要になったときは利用を希望するのかなど、その時、代理決定するのはご家族など近しい方になります。ところが十分に本人の意思が伝わっていないと、家族は迷い、結果的に本人も家族も悔いが残ることになりかねません。
自分の人生を医師任せにする時代ではなく、最期の迎え方を話し合うことがタブーではないことなどが背景にあります。

何を話し合えばよいのですか

どんな治療をどこまで受けたいのか、どこ(自宅・病院・施設など)で最期を過ごしたいのか、代理決定者はだれなのかなど、もしもの時をイメージして話しましょう。

いつ話し合いをするのが理想なのですか

元気な方や若い方もいつ何が起こるかわかりません。ぜひ、自分の価値観を周りの方と共有してみてください。現在、医療や介護を受けている方は、病気の進行のこと、疑問に思うことなどを医師にしっかり質問して、「人生会議」を持つようにしましょう。病気の進行具合などで、考えや思いは揺れ動くので何度でも繰り返し、話し合いをしましょう。

松本さんはACPだけでなく、在宅医療や地域の医療体制など、情報発信にも力を入れておられます

北九州市は医療機関で亡くなる方が約85%と政令市の中で最も高く、在宅で亡くなる方は約11%と最も低くなっています。「自宅療養は難しい」とあきらめている方が多いためと思われます。いろいろな支援制度や在宅医療のことを丁寧に説明することで少しでも不安を払拭できればと思っています。今後も市民センターを中心に講演活動を予定しています。お近くに伺った際はぜひお立ち寄りください。

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