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広報Report

食べものによる窒息に気をつけよう

2023年 11月27日 16:26

年末年始にご家族でお餅を食べる、という方は多いのではないでしょうか。
日本では、不慮の窒息のために年間約8,000人の方が亡くなっています。窒息を起こす方は、65歳以上の高齢者と、3歳以下のお子さんが多いですが、どんな年齢の方でも起こります。
特にお餅は、もちもち、ねばねばしていて、冷えると硬くなるので、詰まると取り除くのがとても大変なのです。窒息を起こすと、短時間で心肺停止となってしまいます。元気な状態で救命するには、5分以内に窒息を解除することが目標と言われています。

119番して救急車が到着するまでの時間は、全国平均で約9.4分(令和3年)。とても5分以内には、間に合いません。このため、窒息はまず起こさないことが大切です。

予防のポイント

・乳幼児のいる場所では、口に入る大きさのものを手の届く範囲に置かない。

・乳幼児や高齢者と食事をする時は、注意して様子を見守る。

・餅など、詰まりやすい食べものは小さく切って、食べやすい大きさにする。

・食べる前に、お茶や汁物で口やのどを潤しておく。

それでも窒息を起こしてしまった場合、すぐ対応できるように窒息のサインと、応急処置(異物除去)の方法を知っておきましょう。

窒息のサイン(こんな症状を見たら、すぐに119番!)

チョークサイン、食事中の突然の咳、呼吸困難、喘鳴(ゼーゼー音がする)、声を出せない、チアノーゼ(顔色が真っ青になる)、意識がない、など。
      

応急処置

①声が出せる、咳ができる→咳をさせる

②声が出ない、咳ができない→背部叩打法、腹部突き上げ法(1歳以上) 
 腹部突き上げ法を行ったら、腹部臓器損傷のおそれがあるので、窒息が解除できても病院を受診する

③呼びかけても反応がない→心肺蘇生法を行う

④口の中に異物が見えたら、取り出す
(製鉄記念八幡病院 救急・集中治療部部長 松尾瑞恵先生)

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