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血尿は何科にかかるべき?
2020年 7月30日 16:34
肉眼的血尿と顕微鏡学的血尿
血尿とは尿中に血液が混じることを言いますが、肉眼で見て分かる肉眼的血尿と、検尿をして顕微鏡でみないと分からない顕微鏡学的血尿に分けられます。
血尿自体は比較的多い疾患で日本では500万人ほどいるといわれています。
女性が圧倒的に多く、年齢とともに急増することが分かっています。
肉眼でわかる血尿や尿潜血が指摘された場合は
真っ赤な肉眼的血尿が出た時や、検尿で尿潜血のみが毎年指摘される場合は、結石や尿路感染、尿路腫瘍(癌)を疑って、最初に受診すべきは泌尿器科となります。若年者の血尿単独は自然に消失してしまうことが多くありますが、中~高齢者では癌が潜んでいることもあり、疑わしい場合は経年的に検査をしながら経過をみなければいけないことがあります。
蛋白尿の場合は
一方で、蛋白尿が出ていたり、家族も血尿があったり、泌尿器科的疾患が否定された持続的血尿の場合は、腎臓内科に受診して腎臓病を否定する必要があります。
尿潜血のみの腎臓病の場合は、腎機能が悪くなる危険性はかなり少ないのですが、蛋白尿が出ていないかを診るために、年に1回以上の検尿を行い、経過観察が必要となります。
蛋白尿が出てきた場合や腎機能が落ちてくると、入院して腎生検という精密検査をうけて治療方針を決定する必要があります。
風邪や下痢のあとにコーラのような色の血尿がある場合や、下肢(すねの部分)に紫斑を伴う場合は腎臓病の事が多く、早めに腎臓内科に受診しましょう。
(柳田 太平腎臓内科部長に聞きました)