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「ぎっくり腰」ってなに?

2021年 4月05日 10:13

ぎっくり腰ってなに?

「重いものを持ち上げようとしたら、腰が痛くなって動けない」。「顔を洗おうとかがんだら、腰に痛みが来て、動けなくなった」。
そんな経験のある人、身近にいませんか?
「そんなの癖になってて、しょっちゅうよ」って、自慢げに話をする人も見かけますが、あまり経験したいことではありませんね。でも、そのうち皆さんも経験するかもしれません。

原因はよくわかっていない

その名は「ぎっくり腰」。びっくり腰とか、ぎっくら腰と呼ぶ地方もあります。
海外では「魔女の一撃(witch’s shot)」というみたいです。医学的には「急性腰痛症」と言います。
原因はよくわかっていません。背中やお尻の筋肉痛のひどいものだったり、椎間板の痛みだったり、関節の痛みだったりするのですが、なぜそれがお辞儀したり、ちょっとかがんだり、腰をひねったりするだけで起きるのかが、よくわかっていないんです。ただぎっくり腰だと思っていても、椎間板ヘルニアがでていたり、圧迫骨折を起こしていることもあるので、痛みがなかなか引かないときには医療機関を受診してください。

マッサージやストレッチは効果ある?

さて、ぎっくり腰になったらどうしたらいいでしょう。痛いのはつらいですね。痛みが楽になる姿勢を探しましょう。人それぞれ違います。一番楽な姿勢が、その人にとって一番よい姿勢なので、早く見つけてください。数日で治る人もいれば、1-2週間かかる人もいます。最初の1-2日は楽な姿勢で、安静にしてください。コルセットを巻くのもいいですね。3日目以降は、安静にしている人とそうでない人とでは、そうでない人の方が早く良くなる傾向があります。我慢できる程度の痛みになったら、なるべく普段通りの生活を送りましょう。お風呂は「湯治」という言葉があるように、お風呂に入ることでリラックスできたり、温まることで痛みが和らぐことが多かったりしますので、動ける程度の痛みになったら入ってもよいです。マッサージやストレッチは、少し動けるようになってから受けましょう。軽いものから初めて、気持ちよかったら続けて、不快感を感じるようならやめてください。
2週間過ぎても、思ったようによくならないと感じたときは、整形外科受診のサインです。

(社会医療法人製鉄記念八幡病院 整形外科部長 末永 賢也医師に聞きました)

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