広報Report
コロナ禍でのアルコール摂取量にご注意を。大手ビールメーカーがアルコール量をグラム表示に
2021年 5月12日 10:39
アルコール量の目安は
新型コロナウイルスの影響もあり、外出自粛や在宅勤務のストレスから、自宅での飲酒量の増加が懸念されています。
厚生労働省が定めた国民の健康増進の目標を示す「健康日本21」では、“節度のある適度な飲酒”は
1日平均純アルコールにして20g程度であるとされています。
今回は適正な飲酒について、管理栄養士の視点からお話しさせていただきます。
皆さんはどのようなお酒を選びますか?
もちろん自分の飲みたい酎ハイやビール、日本酒などを選ぶでしょう。そのほか「カロリーOFF・糖質OFF・プリン体ゼロ」と表示されたものを購入する方もいると思います。
アルコール度数の高い缶酎ハイなどは、甘くて口当たりが良いので、ついジュース感覚で飲んでしまいがちですが、ビールに比べて1.4~1.8倍のアルコール度数があり、飲み過ぎには注意が必要です。
1日のお酒の推奨量(純アルコール20g)
※厚生労働省「健康日本21」節度ある適切な飲酒
ビール500ml 日本酒1合 ウイスキーダブル1杯
25度焼酎100ml ワインボトル1/4 チューハイ(7%)350ml
飲酒量と「おつまみ」にも注意を!
お酒は食欲を増進させるので、ついつい食べ過ぎてしまいます。
お酒を飲んでいる時、肝臓ではアルコールを一生懸命に分解しようとするので、脂質の代謝が後回しになります。揚げ物、豚バラ肉、ピザなど油っこいものが多くなると、肝臓に負担がかかりますので、煮物や蒸し物など、脂質の少ない料理を意識して食べるようにしましょう。
夕食と別に飲酒される方は、スナック菓子やスルメなど「乾きもの」をおつまみにする傾向があります。これでは摂取エネルギーとともに塩分摂取も増えてしまいます。ほどほどが大事です。
飲み過ぎ、食べ過ぎを防ぐ工夫
ビタミン・ミネラルが豊富な野菜や海草類と良質なたんぱく質を含む枝豆や冷奴などの大豆製品や魚介類、そしておにぎりなどの炭水化物をきちんと摂るように心がけてください。
また、最初に食物繊維を多く含む野菜や海草類をしっかりよく噛んで食べることで、満足感が得られ、食べ過ぎや飲み過ぎを防ぐことができます。
大手酒類メーカーがアルコール量を「グラム表示」に!
今年3月から大手の酒類メーカー各社が、アルコール度数とともにアルコール量を「グラム」で表示する取り組みを始めています。あるメーカーでは2023年末までに、アルコールを含む缶入りのすべての商品に表示する計画です。缶の表示もぜひ、チェックしてください。
飲酒は気持ちをリラックスさせたり、仲間とのコミュニケーションの場を盛り上げるなど、様々な良い面もあります。しかし、お酒との付き合い方によっては、健康を害したり、病気を悪化させたりする可能性もあります。
飲酒習慣がある方は、毎日の適正な純アルコール量を守ることが必要です。
休肝日を設けたり、今回お話した注意点を踏まえた飲酒を心掛けてみてください。
自宅で過ごすことが多くなっている今だからこそ、飲酒について考える機会となれば幸いです。
【監修】製鉄記念八幡病院 栄養管理部 井本太