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北九州のキラリ人からの1000文字(千草ホテル 女将 小嶋 美恵子さん)

2023年 11月13日 15:09

今回のキラリ人は3代目女将として、八幡の老舗「千草ホテル」を50年以上にわたり支える小嶋美恵子さんにご登場いただきます。

八幡の老舗ホテルは2024年に110周年

おかげさまで当ホテルは来年、創業110周年を迎えます。1914(大正3)年に創業者の勝太郎(かつたろう)が現・中央町に開業した料亭千草は、官営八幡製鐵所の御用達として大いに賑わったようです。その後、勝太郎の次男・守(たもつ)が千草ホテルを開業しましたが、昭和20年の八幡大空襲で両施設とも全焼し、翌年、ホテルは現在地(西本町)に移転しました。

私が女将になりたての昭和40年代後半は、大宴会場が4つございました。ほかに大きな会場がなかった時代ですから、結婚式だけでひと月80組、お受けすることもありました。いつの時代も製鉄所のご関係者や地域の皆様に、ハレの宴やご家庭の節目の行事でご利用いただいております。

主人の一碩(かずひろ・現会長)は昔から「ホテルは地域が活性化して、にぎやかなおかげで成り立つ」と申しております。スペースワールドができた時は、何か私どももお役に立てないかと、鍋を土星に見立てた「スペース鍋」や「宇宙会席」など料理長と工夫してお出ししたり、町おこしの一環で国際鉄鋼彫刻展(1987年)の開催もお手伝いしました。

こんなに静かな千草は、女将になって初めてでした

この数年のコロナは、言葉では言い表せないほど大変でした。
「ここでポシャるわけにはいかない!」と亀のように首をすくめて堪えました(笑)。こんなに当ホテルが寂しかったのは、お嫁にきて初めてのことと思います。
ですが、良いこともありました。旅行支援制度で遠方にお住まいの方や海外のお客様にも足を運んでいただく機会に恵まれ、タイのお客様とは学生時代に留学生から習い覚えたタイの民謡「ロイカトン」を合唱するなど、思いがけず楽しい時間をいただきました。

 私は八幡の出身ではございませんが、この町はいろいろな土地から来られた方で成り立ってきた歴史があります。そのためでしょうか、皆さん、心広く落ち着いた穏やかな方が多く、それも八幡の特徴かと思います。

「女将、まだ出てるの?」と仰られるかもしれませんが(笑)、これからも地域への恩返しと、「生涯現役」でお客様をお迎えしてまいりたいと思います。皆さまのお越しをお待ちしております。

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