コミュニティ
北九州のキラリ人からの1000文字(千草ホテル企画マネージャー 小野山美緒さん)
2024年 9月20日 15:35
私は乳がんサバイバーだ。
20代、思いつきと惰性で職に就き、博多や東京で過ごしたあと、結婚もしてみたが長くは続かなかった。プラプラしていた30代半ば、甲状腺を患い、身体に不自由を感じてやっと「腰を据えて地元で働こう」と千草ホテルに再就職。40代、仕事に遊びにと絶好調の真っ只中、48歳で乳がんによる左乳房全摘、翌年乳房再建、さらにその翌年に子宮筋腫でも全摘術を経験した。幸運にも検診のおかげで超早期発見! 全て”切って終わり”、投薬+経過観察中の身ではあるが50歳でようやく女性機能との戦いが終了した。…で、今は? ハイご覧のとおり、日々ゴキゲンに暮らしている。
40代は忙しい。誰もが家庭に仕事に子育てにと奔走する時期だろう。私には子供がいない分、仕事に全力投球だった。千草ホテルで仕事に没頭するということは、必然的に地域の方々との交流が濃くなるわけで、「千草になんか面白いのがおるらしい」とアチコチでウワサしていただき、たくさんの八幡の方々と出会い&飲み&語り明かすことが、私の活力の源にもなった。
八幡には、魂がある。
官営八幡製鉄所を目指し全国からココにやって来て、製鐵所と共に生き、暮らし、町を形成し、地域の文化を育んできた。八幡という土地には、自分達が町を作ってきたという誇りと、製鐵所が日本を支えてきたというプライドが満ち溢れている。皆の八幡愛が結実し、製鐵所関連施設がユネスコ世界遺産認定を受けた、そのお祝いを…。八幡といえば鉄だ、鉄そのままをお土産にしよう!そうして鉄の味のする金平糖「鐵平糖」という…奇妙で微妙、だが一度食べると忘れられない名(迷)物土産が誕生したというわけだ。
人生100年時代だという。
医療の進歩と便利な道具は、人間が長く快適に暮らせる世の中を作ってくれた。だが、当たり前のことだが、明るく楽しく元気よく暮らし続けるためには、日々自分をゴキゲンでいさせなければならない。自分の身体や心の声に耳を傾け、身近な”頼っていい誰か”にサポートをお願いし、いろんな方からの助けを得ながら自分自身を丁寧にケアすることで、人生は上々になっていくものだと私は思う。
八幡は、本当に良いマチだ。
遊び甲斐と学び甲斐と働き甲斐でいっぱいだ。「マチと、マチの人のために、尽くせ」
千草の会長の言葉を胸に、今日も私は、笑顔のいらっしゃいませと、心からのありがとうを頑張るのだ。ココからは、皿倉山のてっぺんが本当によく見える。顔を上げ、皆で八幡を眺めよう。
今回のキラリ人:小野山 美緒
八幡への愛があふれる、まちづくりのリーダーの一人。地域のだれもが「八幡の仕掛け人」と口をそろえる。「鐵平糖」の発案者で、本業の千草ホテルの企画のほか、八幡中央区商店街や八幡東全体での企画にも情熱を傾ける。中央町連絡協議会・結(YUI)副会長、八幡ぎょうざ協議会事務局長など。