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けいれんを伴わない「高齢者てんかん」の特徴は

2025年 11月06日 10:17

65歳以上で発症する「高齢者てんかん」

「てんかん」というと、けいれんやひきつけを起こす、小児の病気という印象がありませんか。
実は近年、65歳以上で発症する「高齢者てんかん」が増えています。

てんかんは、脳の神経細胞(ニューロン)が一時的に異常な電気信号を発することで生じます。
この”異常放電”が脳全体または一部に広がると、意識の途切れや動作の異常など、さまざまな症状が現れます。高齢者では、けいれんを伴わない「非けいれん性てんかん」が多く、周囲からは、
一見“ぼんやりしているだけ”に見えることもあります。

けいれんしない発作―見逃されやすい症状

具体的な症状としては、「返事をしない」「一時的に記憶を失う」「会話の途中で止まる」などです。発作は数十秒から数分で自然におさまることが多く、本人もその間の記憶を覚えていません。そのため、認知症や一過性脳虚血発作(TIA)と間違われることが少なくありません。

記録が診断のカギに

デイケアに通う80代の女性。ほかの利用者さんと楽しく談笑している最中、急にボーっとして無反応になり、心配したご家族と来院されました。発作がない時に脳波を測っても異常は見つかりませんでした。しかし後日、同じような症状が出た際にご家族がスマートフォンで撮影され、その映像を確認したことで「てんかん」と診断がつきました。

このように診断の決め手は、発作時の様子の記録です。発作のないときには脳波検査やMRI検査で異常が見られないこともあります。周りの方が動画を撮影しておくと、発作の特徴をより正確に把握でき、診断の助けになります。

治療の中心は薬によるコントロール

治療は抗てんかん薬による投薬が主です。薬によって脳の神経細胞の過剰な興奮を抑え、発作を防ぎます。近年は高齢者にも使いやすく、副作用の少ない薬が増えており、適切に内服を続けることで、多くの方が発作をコントロールできるようになっています。

早めの受診が安心に

「年のせい」と見過ごしてしまうような小さな変化の中に、病気のサインが隠れていることもあります。「最近ぼんやりしている」「意識がとぶ」など感じたら、早めに神経内科など専門医に相談してください。

製鉄記念八幡病院 副院長/脳卒中・神経センター長  荒川修治
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