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3,000万人が悩みを抱える腰痛。原因は?
2019年 2月06日 12:59
日本人3,000万人が悩む腰痛
日本整形外科学会の調査では、日本全国に腰痛のある人は3,000万人いると推計されています。
腰痛の原因が特定できる場合が約15%、腰痛の原因が特定できない非特異性腰痛といわれる場合が約85%とされています。
腰痛は原因の特定が難しい
腰痛の大半を占める非特異性腰痛とは、一般に腰痛症や坐骨神経痛などと診断されます。
背骨などの骨格構造に明らかな異常がなく、痛みの原因が筋肉や腰の椎間関節にあると考えられていて、原因を特定するのが難しい場合が多いです。
仕事上での長時間の立位作業、中腰での作業、重量物の運搬作業、パソコンなど長時間同じ姿勢を続ける作業などで、腰に筋肉疲労が蓄積し腰痛をきたすことが多いです。
また、過剰なストレスなど心因的な腰痛もあります。休息や、適度な運動で改善する場合が多く、ひどくならないようにコントロールしていくことが重要です。
腰痛の原因となる病気は
重い背骨の病気、内臓の病気、腰部脊柱管狭窄や椎間板ヘルニアなど腰の神経の障害によるものがあります。
重い背骨の病気には、化膿性脊椎炎、がんの骨への転移、背骨の圧迫骨折などがあり、腰痛全体の約1%の患者さんがいると考えられています。
内臓の病気で腰痛を起こしやすいものには、慢性膵炎(まんせいすいえん)、腎盂腎炎(じんうじんえん)、尿路結石、慢性十二指腸潰瘍、子宮内膜症などがあり、腰痛全体の約2%の患者さんがいると考えられています。
腰部脊柱管狭窄や椎間板ヘルニアなど、神経の障害により起こる腰痛は、腰痛全体の約10%を占めています。
我慢できる腰痛と我慢できない腰痛
我慢できる腰痛は非特異性腰痛が多く、経過を見ておくだけでもよい場合が多いです。
しかし、生活や仕事に支障をきたすような強い痛みや長引く痛みがある場合は、原因となる病気が隠れている場合がありますので、お近くの整形外科を受診し、相談してください。
(製鉄記念八幡病院 田山 尚久副院長・整形外科部長に聞きました)