コミュニティ
北九州のキラリ人からの1000文字(落語家 橘家文太さん)
2025年 8月22日 16:36
寄席のない町に落語を!―北九州から真打を目指す―
ヤンキーだった自分が落語家に!
落語家の橘家文太と申します。
3代目文蔵師匠に弟子入りし、2020年に二ツ目に上がったタイミングで、東京から故郷の北九州市に拠点を移しました。東京、大阪以外の土地で活動しているのは、1,000人いる落語家の中でも私一人です。
若い頃はかなりやんちゃで(笑)、「これまでの自分を断ち切ろう、人生を変えちゃろう」と27歳で上京。しばらくはお金を貯める目的でキャバクラで働いていました。ある日、ふらっと入った寄席で師匠の落語を聞きました。座布団の上で一人の人間が江戸時代の噺をして、それにお客さんが爆笑している光景に、「こんな世界があるんだ」と心を動かされました。
数日後、家の近所を歩いていると、偶然通りかかった小劇場の立て看板に「文蔵師匠独演会」とあるではないですか! 導かれるように入り「やっぱり師匠も落語もおもしろい!」と思って、弟子入りを志願しました。
落語家になるための修行
朝は師匠の家で掃除、炊事、洗濯など家事全般を行います。昼間は寄席の裏方として働きます。
高座にあがる数百人の落語家一人ひとりの「癖」を覚えるのが大変です。お茶の温度、濃さ、着物の着方やたたみ方まで、好みがバラバラです。もちろん性格もバラバラ。それをたたきこむのも修業のうちです。夜は師匠のかばん持ちでいろいろな寄席に付いていきます。1日も休みのない5年半でしたが、すべて「異世界」で、今思えば面白かったですね。
師匠のすすめで北九州へ
二つ目に上がった時、「東京に残ってもいいが、北九州で落語を広めるのもいいんじゃないか」と師匠に言われ、故郷に戻りました。東京は寄席や落語会の会場が何百もありますが、北九州は落語を聞いたことすらない人がほとんどです。最初は居酒屋や飲食店で話をさせてもらいました。おかげさまで今は、いろいろなところに呼んでいただいています。
目指すは、地方在住での真打昇進!
人生って、ほんとにおもしろいです。まさか自分が落語家になっているなんて、今でも不思議な気分になることがあります。今の目標はただ一つ。地方を拠点にしながら真打昇進することです! それは、歴史上初のことで、ぜひ成し遂げたいと思っています。
笑うことは健康にもいいです。しわも伸びますし、人生に必要な時間と思います。一人でも多くの北九州の方に落語を届けたいです!皆さん、ぜひ遊びに来てください!
◆橘家文太(たちばなや ぶんた)
北九州市出身の落語家。2014年に三代目・橘家文蔵に入門し、2020年に二ツ目昇進。北九州を拠点に活動し、移動式の高座「落語car」で地域に笑いを届けている。2021年には西日本文化賞奨励賞を受賞。
◆◆文太さんの落語が「せいてつ病院健康講座~笑う門には、健康来る!~」で聞けます!
日時:2025年10月22日(水)13:00~15:00(12:30受付開始)
場所:製鉄記念八幡病院 第一会議室
定員:100名 ※参加無料・申込不要
【プログラム】
開会挨拶
13:05~13:45 講演①「姿勢を見直そう」末永賢也 副院長・整形外科部長
13:50~14:15 落語家 橘家文太さん
14:20~15:00 講演②「息切れてるけど、大丈夫?」鈴木邦裕 呼吸器内科部長
閉会挨拶