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男性・喫煙者に多い膀胱がん。喫煙者は非喫煙者の3倍の発生率!
2023年 2月21日 16:53
膀胱がんは男性・喫煙者に多い!
膀胱は尿をためる袋状の臓器です。膀胱がんの90%以上は、膀胱の内部を覆っている移行上皮という粘膜に発生します。男性に多くて女性の3倍、喫煙者は非喫煙者の2~3倍の発生率といわれています。約80%は粘膜内でとどまる表在性(非筋層浸潤)のがんですが、膀胱を越えて広がり、リンパ節や他の臓器に転移する場合もあります。
膀胱炎や尿路結石との区別が重要
膀胱がんは肉眼で血尿がみられます。
膀胱炎、尿路結石でも血尿が出ますが、膀胱がんは痛みを伴わないことが特徴です。
進行すると頻尿がみられることもあり、痛みを生じる場合もあります。
どんな検査ですか?
尿検査で血尿や尿中のがん細胞の有無を調べたり、内視鏡検査で肉眼的に腫瘍の有無を確認したりします。また、超音波検査やCT検査で局所の状態や病気の広がりを調べます。
治療は?
膀胱がんの80%は表在性で転移をおこしにくく、内視鏡で切除できます。しかし、BCG膀胱内注入療法などの追加治療をしなければ、約60%は再発し、再手術が必要となるというデータもあります。追加治療は切除した細胞を分析し、再発の可能性が高い方に行います。
筋層まで浸潤した膀胱がんや、BCG治療の効果がみられない場合は、全身麻酔で膀胱全摘術が必要になります。膀胱がなくなるため、排尿路を新たに作る手術も同時に行います。
体力的に手術が厳しい方、膀胱を温存したい方は放射線治療を行います。転移がある場合やその可能性が高い際は、抗がん剤を投与する場合もあります。
早期発見には健康診断を
いずれにしても、患者さんの全身状態、年齢などを考えて、最適な方法を選択することになります。どのがんにも言えますが、自覚症状で発見することが難しいことが多いので、早期発見のためには健康診断を積極的に活用することが重要です。(泌尿器科部長 尾畑紘史先生に聞きました)
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