がん診療支援センター
がん診療支援センター
日本では1981年より、「がん」が死亡原因の第1位となっており、2019年の全国でのがんによる死亡者は約37万人でした。今では国民のおよそ2人に1人が、がんに罹患し、3人に1人が、がんで亡くなるといわれています。このような状況の中、国は2007年4月より「がん対策基本法」を施行し、その基本理念として、どこでもがんの標準的な専門医療を受けられる「がん医療の均てん化の促進」、放射線療法および化学療法の推進、がん治療の初期段階からの緩和ケアの実施、医療従事者の育成などが重点施策とされました。当院ではこのような状況を鑑みて、がん診療体制をさらに強化するために、「がん診療支援センター」を開設しました。
がん診療支援センターは、がん診療に携わる各診療科の医師のみならず看護師、薬剤師、診療放射線技師、理学療法士、臨床心理士、医療ソーシャルワーカーなどの専門スタッフが密に連携することで、より集学的かつ効率的に、がん診療を行うことを目的としています。外科手術や外来化学療法のみならず、放射線治療、緩和ケア医療、がん診療カンファレンス、がん相談支援、セカンドオピニオンなど、より専門的ながん診療を安全かつ安心して受けていただけるよう、がん診療体制を築いています。
手術
年間約300例以上のがんの手術を行っています。おもな内訳は、乳がん100例、肺がん40例、食道がん5例、胃がん35例、大腸がん70例、肝臓がん15例、胆膵がん10例などであり、その他婦人科、泌尿器科のがん、脳腫瘍などの手術も行っています。がんに対する腹腔鏡や胸腔鏡下手術も積極的に行っており、その数も年々増加しています。また、消化管の早期がんに対しては、内視鏡下の食道・胃腫瘍切除術を年間約40例行っています。
化学療法
近年、抗がん剤のみならず分子標的治療薬などの最新のがん治療薬が次々と開発され、がんに対する化学療法は飛躍的にその治療効果が改善しています。当院では最新の化学療法を、外来にて安全かつ安心して受けていただくため、専門の治療機関である外来化学療法室を設置しています。外来化学療法室には15床の専用ベッドと専門のスタッフがおり、月に延べ170人ほどの外来化学療法を安全に行うことができます。
放射線治療
放射線治療は、手術や抗がん剤と共にがんに対する重要な治療の一つですが、当院では年間約200人の方に放射線治療を行っています。最近では通常の外照射に加え、肺がん・肝細胞がんに対する定位放射線治療も行っています。
緩和ケア医療
当院には16床の緩和ケア病棟があり、医師のみならず看護師、薬剤師、臨床心理士、理学療法士、ソーシャルワーカーを含めたスタッフがチーム医療を行っています。がん診療では治療の初期段階から緩和ケアの介入が推奨されており、当院でも緩和ケアチームが、早期から症状のコントロールや緩和ケア病棟への橋渡しを行っています。また、当院の緩和ケア病棟では、一旦入院された方でも症状が安定すれば在宅復帰ができることを目指しています。
がんに関するご相談
がんに向き合い、病を持ちながら、
充実した豊かな人生を生きることを支える
当院では、様々ながん相談や関連する対応を包括的にサポートする機能として、「がん相談支援センター」があります。
当センターの主な機能
- がんに関する相談(治療・医療費・福祉介護・緩和ケアなど)
- 患者さんやご家族などへのがん情報の提供・がん情報の発信
- 地域医療機関・ホスピスや緩和ケア病棟などへの円滑な退院調整
- 外来通院中および在宅のがん患者さんが安心できるためのサポート
- かかりつけ医や地域医療機関へ円滑な紹介と逆紹介
- セカンドオピニオンに関する相談や対応 など
がん専門相談員として研修を受けたスタッフが、ご相談の内容に応じて各分野の専門スタッフが協力しながら課題解決へのお手伝いをいたします。
ご利用方法は
- がん診療支援センターにご相談ください。
-
お問い合わせ:がん診療支援センター(相談室)
TEL093-671-9755
セカンドオピニオン
私の病気、何かよい治療法はないだろうか?
他の医師の意見も聞いてみたい
セカンドオピニオンとは、主治医の診断や治療方針に対する別の医師の意見という意味です。
他の医師や病院を紹介するものではなく、新たな検査や治療も行いません。
また、主治医との良好な関係を維持した上で行われ、受診後はもとの医療機関に戻っていただきます。
当院では、患者さんの求めに応じてセカンドオピニオン(有料)を受け付けています。
また、当院から他院へのセカンドオピニオン用の診療情報提供も行っております。
こんなご相談をお受けします
-
「あなたは○○病です」
本当なのか他の先生にも聞いて確かめたい -
「手術が必要です」
本当に手術しかないのか、手術以外の治療方法を他の先生にも聞きたい -
「もう治療方法がありません」
本当にないのか?
これからどうすればいいかわからない など
ご相談は
がん診療支援センターにご相談ください。
お問い合わせ:がん診療支援センター(相談室)
TEL093-671-9755
当院のセカンドオピニオン体制
概要
目的
他医療機関の診断内容や治療方法等に関して、診療情報提供書やフィルム等の資料から医学的な助言を行います。原則、助言のみであり、あらたに当院で検査等を実施いたしません。
対象者
患者さんおよび患者さんのご家族
受付窓口
医事課総合受付 TEL093-672-2923
手続き窓口
医事課予約センターTEL093-671-5489へご連絡ください。
手続きなど詳細をご説明いたします。
◆ セカンド・オピニオンは保険適用外となります。
病院・クリニックからの調整窓口
地域医療連携室(TEL 0120-671-708)
必要な資料
- 診療情報提供書
- 画像診断フィルム(X線・CT等)
- 検査結果データ
- 上記の他、診療情報等
- 健康保険証(本人確認のため)
担当医師
- 指定があれば、その医師
- ②指定がなければ、部長医師または部長が選任する医師
◆ 外来診療担当表
◆ 医師一覧
対応日
月曜日~金曜日
担当医師の外来診察日または担当医師と調整した別の日時(全診療科予約制)
費用
30分 11,000円(保険適応外)
30分以降は、15分毎5,500円加算
対応可能な疾患
- 肺がん
- 縦隔腫瘍
- 悪性胸膜中皮腫
- 食道がん
- 胃がん
- 大腸がん
- 肝がん
- 膵がん
- 胆道がん
- 胆のうがん
- 胆管がん
- 乳がん
- 脳腫瘍
- 咽頭がん
- 喉頭がん
- 甲状腺がん
- 腎がん
- 膀胱がん
- 前立腺がん
- 子宮がん
- その他の女性生殖器がん など
医療関係者へ
がん化学療法レジメン公開について
はじめに
レジメンとは、抗がん剤・輸液・支持療法(制吐剤などの副作用対策)薬の種類や量、期間、手順などを組み合わせた時系列的な治療計画書のことです。
がん化学療法レジメンをご覧いただく前に
患者さんに対して質の高いがん化学療法を提供する観点から、医療機関または保険薬局における薬剤管理指導、服薬状況の確認や有害事象のモニタリングにお役立ていただくこと、またそこで得た重要な情報を当院にフィードバックして頂き、当院の診療に活用することを目的として掲載しています。その他での用途は想定していません。
投与量、投与スケジュールや支持療法は、患者さんの状態によって変更される場合があります。
採用薬の都合により記載されている薬剤名と患者さんへ説明している薬剤名が異なる場合があります。