扱っている主な疾患
- 脳血管障害(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)
- 神経救急疾患(髄膜脳炎・高血圧性脳症・ギランバレー症候群・てんかん・末梢性顔面神経麻痺)
- パーキンソン病
- 認知症
- 急性期脳梗塞
- 脳動脈溜
- 脳動静脈奇形
- 脳腫瘍
- 慢性硬膜下血腫・急性硬膜外・硬膜下血腫
- 正常圧水頭症 など
主な治療方法
- tPA(血栓溶解薬アルテプラーゼ)
- 脳梗塞(急性期)の血栓回収療法
- 脳動脈瘤塞栓術
実績(2023年)
脳卒中センターの入院診療件数
(発症7日以内の急性期症例、2023/1/1~12/31)
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脳梗塞 166例 血栓溶解療法 22件(13.3%) 血栓回収療法 20件(12.0%) 脳出血 42例 くも膜下出血 7例 一過性脳虚血発作 7例 合計 216例
脳卒中について
はじめに
脳卒中はがん、心臓病、肺炎に次ぐ日本人の死亡原因の第4位で、寝たきりの原因では第1位を占めています。また、高齢者のみならず、若年発症の脳卒中も増えています。近年、脳卒中医療は大きく変化し、診断技術、治療技術は飛躍的に進歩しています。特に発症から間もない超急性期には、血栓溶解療法(発症後4.5時間まで)やカテーテルを用いた血栓回収療法(発症後24時間まで)による劇的な改善が期待できる症例もあります。当院では、365日24時間体制で積極的に脳卒中急性期症例を受け入れ、脳卒中専門医や脳神経外科専門医が連携し、迅速な診断のもと、的確な急性期治療を行っています。
こんな症状ありませんか?
- 脳卒中は脳の血管が急に詰まったり破れたりして脳の血液の循環に障害をきたし、さまざまな症状を起こす病気です。
次のような症状は、脳卒中やその他の神経疾患の可能性があります。症状を自覚したら、または家族の症状に気付いたら、すぐに受診してください。
- 手足や顔がしびれる。感覚が鈍い。
- 食べ物を飲みこみにくい。
- 意識がぼ~っとしている。反応が鈍い。
- 視野が狭くなる。
- 激しい頭痛がある。
- けいれんしている。
あったらどうする?
すぐに救急車を呼んで受診してください。初めは軽い症状でも、時間と共にどんどん悪くなっていくこともあり、油断はできません。脳卒中は発症から治療開始までの時間が早ければ早い程治療の効果が高くなる傾向があり、元の生活に戻れる可能性が高くなります。劇的な効果が期待できるrt-PAという薬を使った血栓溶解療法は脳梗塞発症から4.5時間以内にしか施行できません。カテーテルを用いた血管内治療も6~8時間以内が適応になります。もちろん4.5~8時間を過ぎてしまっても、さまざまな治療が必要です。より有効性が高い治療を受けていただくためにも、少しでも早い受診が大切です。
脳卒中・神経センターの治療
当脳卒中・神経センターでは脳血管内科と脳神経外科の医師、そして看護師、リハビリテーションスタッフ、臨床検査技師、薬剤師、医療ソーシャルワーカーなど多職種が連携して最適な治療、検査、リハビリテーション、退院支援を提供しています。高度な専門的チーム医療により、少しでも後遺症を減らし、多くの患者さんの社会復帰を目指します。
おもな専門的治療
脳梗塞
- 発症4.5時間以内のrt-PAという薬を使った血栓溶解療法
- 発症6~8時間以内の血管内治療
- 脳保護治療
- 脳梗塞の原因や病型に応じた抗血小板療法,抗凝固療法
- 内頸動脈など頭頸部の大血管が高度に狭窄・閉塞している症例に対する頸動脈内膜剥離術、カテーテルを用いたステント留置術、脳血管バイパス手術
脳出血
- 脳浮腫治療
- 血圧管理による出血拡大・再発予防
- 開頭手術による血腫除去
くも膜下出血
- 開頭クリッピング手術
- 血管内治療による脳脈瘤コイル塞栓術
センター長よりコメント
最適な脳卒中診療を展開するには、内科的な治療と外科的な治療の両方が必要です。当脳卒中・神経センターの強みは、脳血管内科と脳神経外科がチームを組んで連携し、最適な検査と治療を迅速に提供できることです。医師以外のメディカルスタッフのモチベーションも高く、高度なチーム医療をモットーとしています。
脳卒中・神経センター長 荒川修治