脳卒中・神経センター

PSCコア施設に認定されました
脳血管障害の急性期治療に「24時間365日体制」で対応します

脳梗塞や脳出血などの脳血管障害をはじめとする急性神経疾患など、24時間365日受け入れ体制で対応しています。とくに、超急性期脳卒中など緊急性のある疾患については、tPA治療や血栓回収療法を最優先して実施しています。
脳卒中学会専門医、神経学会専門医、脳神経外科学会専門医、脳神経血管内治療学会専門医の医師が、内科、外科の枠を超えて、迅速かつ丁寧な診療を心がけています。

扱っている主な疾患

  • 脳血管障害(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)
  • 神経救急疾患(髄膜脳炎・高血圧性脳症・ギランバレー症候群・てんかん・末梢性顔面神経麻痺)
  • パーキンソン病
  • 認知症
  • 急性期脳梗塞
  • 脳動脈溜
  • 脳動静脈奇形
  • 脳腫瘍
  • 慢性硬膜下血腫・急性硬膜外・硬膜下血腫
  • 正常圧水頭症 など

主な治療方法

  • tPA(血栓溶解薬アルテプラーゼ)
  • 脳梗塞(急性期)の血栓回収療法
  • 脳動脈瘤塞栓術

実績(2022年)

脳神経内科

  •   2022
    脳梗塞(TIAを含む) 148
    脳出血 31
    脳血管精査 20
    パーキンソン病・症候群 30
    てんかん 28
    末梢神経障害
    (GBS・CIDP等)
    22
    頭部外傷 20
    脊椎・脊髄疾患 4
    神経・筋接合部疾患 7
    認知症 7
    視神経脊髄炎関連疾患 1
    筋萎縮性側索硬化症 1
    その他の神経疾患 9
    その他 101
    合計 429

    ※同一症例の複数回入院あり

脳神経外科

  •   直達手術実績 2022年
    腫瘍 脳血管障害 24
    脳腫瘍 11
    外傷(慢性硬膜下血腫など) 41
    その他 32
  • 血管内治療の内訳 2022年
    脳動脈瘤コイル塞栓 12
    閉塞性血管障害(CASを含む) 28
    AVM-AVFに対する塞栓術 2
    その他 5

脳ドックのご案内

脳ドックでは、無症状の脳梗塞や脳出血、脳血管の狭窄や閉塞、未破裂動脈瘤、脳腫瘍などが発見されることがあります。また、脳萎縮や脳血管性認知症の傾向もある程度把握できます。
脳の病気は加齢とともに発症のリスクが高まります。とくに高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、喫煙などの脳卒中の危険因子をお持ちの方は、定期的に検査を受けることをおすすめします。

脳ドックはこちら

脳卒中について

はじめに

脳卒中はがん、心臓病、肺炎に次ぐ日本人の死亡原因の第4位で、寝たきりの原因では第1位を占めています。また、高齢者のみならず、若年発症の脳卒中も増えています。近年、脳卒中医療は大きく変化し、診断技術、治療技術は飛躍的に進歩しています。特に発症から間もない超急性期には、血栓溶解療法(発症後4.5時間まで)やカテーテルを用いた血栓回収療法(発症後24時間まで)による劇的な改善が期待できる症例もあります。当院では、365日24時間体制で積極的に脳卒中急性期症例を受け入れ、脳卒中専門医や脳神経外科専門医が連携し、迅速な診断のもと、的確な急性期治療を行っています。

こんな症状ありませんか?

  • 脳卒中は脳の血管が急に詰まったり破れたりして脳の血液の循環に障害をきたし、さまざまな症状を起こす病気です。

次のような症状は、脳卒中やその他の神経疾患の可能性があります。症状を自覚したら、または家族の症状に気付いたら、すぐに受診してください。

  • 手足 (手足同時または片方のみ) が動かしにくい。

  • 物がうまくつかめない。持っている物を落としてしまう。

  • ろれつが回りにくい。思ったことが言葉に出ない。

  • 歩きにくい。まっすぐ歩けない。

  • 顔がゆがんでいる。片方の口角が下がっている。
    手足や顔がしびれる。感覚が鈍い。

  • 物がだぶって見える。

  • 急に片方の目が見えなくなる。

  • 直前の記憶を失う。

  • 手足や顔がしびれる。感覚が鈍い。
  • 食べ物を飲みこみにくい。
  • 意識がぼ~っとしている。反応が鈍い。
  • 視野が狭くなる。
  • 激しい頭痛がある。
  • けいれんしている。

あったらどうする?

すぐに救急車を呼んで受診してください。初めは軽い症状でも、時間と共にどんどん悪くなっていくこともあり、油断はできません。脳卒中は発症から治療開始までの時間が早ければ早い程治療の効果が高くなる傾向があり、元の生活に戻れる可能性が高くなります。劇的な効果が期待できるrt-PAという薬を使った血栓溶解療法は脳梗塞発症から4.5時間以内にしか施行できません。カテーテルを用いた血管内治療も6~8時間以内が適応になります。もちろん4.5~8時間を過ぎてしまっても、さまざまな治療が必要です。より有効性が高い治療を受けていただくためにも、少しでも早い受診が大切です。

脳卒中・神経センターの治療

当脳卒中・神経センターでは脳血管内科と脳神経外科の医師、そして看護師、リハビリテーションスタッフ、臨床検査技師、薬剤師、医療ソーシャルワーカーなど多職種が連携して最適な治療、検査、リハビリテーション、退院支援を提供しています。高度な専門的チーム医療により、少しでも後遺症を減らし、多くの患者さんの社会復帰を目指します。

おもな専門的治療

脳梗塞

  • 発症4.5時間以内のrt-PAという薬を使った血栓溶解療法
  • 発症6~8時間以内の血管内治療
  • 脳保護治療
  • 脳梗塞の原因や病型に応じた抗血小板療法,抗凝固療法
  • 内頸動脈など頭頸部の大血管が高度に狭窄・閉塞している症例に対する頸動脈内膜剥離術、カテーテルを用いたステント留置術、脳血管バイパス手術

脳出血

  • 脳浮腫治療
  • 血圧管理による出血拡大・再発予防
  • 開頭手術による血腫除去

くも膜下出血

  • 開頭クリッピング手術
  • 血管内治療による脳脈瘤コイル塞栓術

センター長よりコメント

最適な脳卒中診療を展開するには、内科的な治療と外科的な治療の両方が必要です。当脳卒中・神経センターの強みは、脳血管内科と脳神経外科がチームを組んで連携し、最適な検査と治療を迅速に提供できることです。医師以外のメディカルスタッフのモチベーションも高く、高度なチーム医療をモットーとしています。

脳卒中・神経センター長 荒川修治